日経ソフトウエア2023年11月号

雑誌「日経ソフトウエア2023年11月号」で2件ほど記事を書かせて頂きました。

リバーシを作ろう(第三回、最終回)。

・IoT時代の電子工作(第11回)

 

リバーシの特集記事は今回が最終回。

受けを狙って題名に「AI」という単語を使ってますが、実際はミニマックス法を使った古典的なアルゴリズムを採用しています。

 

今回、記事を書く時に参考にした本「思考ゲームプログラミング オセロゲームのアルゴリズムと作成法」(アスキー/1986年3月発行)です。全206ページ。今ではレアな本ですが、デジタル化したものを国会図書館で読みました。本書は章ごとに著者を分担しています。第1章(基本的な説明)が国枝交子さん、第2章(ミニマックス法の説明)が津田伸秀さん、第3章(具体的なアルゴリズムの説明)が森田和郎さんです。第4章には「森田オセロ V6.1」のソースコードが丸ごと載っています(50ページくらい)。

 

IoT電子工作の連載記事は今回、ラズパイPicoWを使ってサーボモーターを動かすというネタですが、ChatGPTでコード生成する使う方法を紹介しています。ChatGPTに頼ってしまうと試行錯誤がなくなってしまって、教育に悪影響じゃないかという心配があります。といっても、便利なので使わない手はありません。電卓やワープロと同じような距離感で接するのがいいのかなと思います。

現時点では意図したとおりにChatGPTがコードを生成してくれないので、どうにか記事が成立しているのですが、これから先、AIの性能が上がって、完璧なコードを生成できるようになると、もうライターは失業してしまうかもしれません。

ワンダーハウス(PC-6001版)

1983年発売のアドベンチャーゲーム「ワンダーハウス(PC-6001版)」がプロジェクトEGGで配信されました。会員なら無料でダウンロードできます(会費として550円/月が必要)。

「ワンダーハウス」がどういう作品か?については、作者の山本さんがご自身で解説していますので、そちらをご参照ください。

【第8回リレーブログ】元ファミマガ編集長、山本直人様 | BEEP

 

本作は「TAKE」や「OPEN」「GO」「JUMP」など、テキスト入力で進めていくという、古典的なアドベンチャーゲームです。「N」「S」「E」「W」で方向入力。F4/F5キーで前進(FORWARD)します。コマンドを思い付けるかどうかが全てです。

以下、攻略のヒントをいくつか紹介したいと思います。

 

(攻略のヒント1)「EGGランチャーをよく見る」

EGGランチャーの紹介ページがネタバレしまくっています。

この情報を基にすれば、最初の隠し扉を見つけたり、ヘビを倒すことが可能です。

 

(攻略のヒント2)「マッピングする」

地道にマッピングすると、いろいろ見えてくると思います。

チャレアベをリスペクトして白地図を作ってみました。空白部分は自分で埋めてください。↓

 

(攻略のヒント3)「ググる

題名でググると、MZ/PC88版の攻略ページがヒットします。ただし、MZ/PC88版はP6版と内容が若干違うので、丸写しではクリアできません。

 

(攻略のヒント4)「超掟破り。ソースを読む」

実は「ワンダーハウス PC-6001版」はHashiさんという方のWebサイトでテープイメージが無償配布されています。プロジェクトEGGに入会しなくてもPC-6001実機/エミュレータがあれば、プレイすることが可能です。

http://p6ers.net/hashi/index.html

本作はBASICで書かれていますので、2番目のファイル(WONDER)をロードすれば、プログラムリストを丸ごと読めてしまいます。正解のコマンドがバレバレです。そのままだとリスト非表示に設定されているので、バイナリエディタで先頭の「FF」「FF」の部分を修正する必要があります。

言うまでもありませんが、頑張って自分で考えたほうが、解けた時の喜びも大きいと思います。

この異様な難しさ。プレイして、当時のマイコン界の空気を感じてみてはいかがでしょうか。

 

(2023/09/12追記)
「Oh!MZ」1983年9月号(8月18日発売)に掲載されたワンダーハウスの広告。ゲームの難易度の高さを売りにしていたようです。

7月号と8月号の広告では対応機種はMZ系とX1のみでしたが、この9月号でFM系とPC系が加わりました。近日発売としてパソピア7版、ベーシックマスター版、PC-8201版、FM-11版の名前がありますが、果たして実現できたのでしょうか?

日経ソフトウエア2023年9月号

ご報告が遅れましたが、雑誌「日経ソフトウエア2023年9月号」で2件ほど記事を書かせて頂きました。

・IoT時代の電子工作 10回目

リバーシを作ろう 2回目

 

IoT時代の電子工作では、ラズパイPico側でWebサーバを動かして、スマホからLEDを点灯させる方法を紹介しています。

 

リバーシは人間VS.人間の通信機能を実装しています。次回には人間VS.CPUを作る予定です。

ゲームの歴史番組

ゲームの歴史を扱った番組、「ハイスコア ゲーム黄金時代(2020年)」と「世界を変えたテレビゲーム戦争(2019年)」の2つを紹介します。両方とも海外の番組なので、ちょっと話題が偏ってる感じはあります。

「ハイスコア~」はNetflixのオリジナル番組。40分くらいのエピソード6本で構成されています。黎明のアーケードゲームNESRPG、ハード戦争、格闘ゲームFPSゲーム等、テーマ別にゲームの歴史を紹介します。番組全体の3割くらいはゲーム大会で優勝した人のインタビューになっているところが珍しいかもしれません。eスポーツへの言及もあります。人種差別の問題に積極的に触れるところが今どきの番組だと感じます。

第1回目に「パックマン」の作者の岩谷さんが出演されているのですが、パックマンのデザインを思いついた場面をわざわざピザ店で再現しているのが見どころ。これだと、もうデマだとか言えません。

第3回目にリチャード・ギャリオットさんが出演されていますが、ヨロイとか宇宙服を飾ってある超豪華な部屋って、ご自宅なのでしょうか。海外のクリエイターは総じてお金持ちなのが印象に残りました。

第5回目は格闘ゲームがテーマなのですが、途中から暴力表現の話題になって、なぜか「ナイトトラップ」の紹介に長い尺を使ってます。

一方、「世界を変えた~」の方は、マグナボックスvs.ATARI任天堂vs.セガに話題を集中しています。Amazonプライム会員ならタダで観れます。ATARIが「PONG」を作ったあとにマグナボックスから特許侵害だという警告の文書が送られたのですが、番組内でブッシュネルさんがライセンス料を払ったと言っているので、訴訟にまでは至らなかったように思えます。

 

「ハイスコア~」の第4回目の中で、80年代にゲーム市場が盛り上がっていたことを示す資料として、当時のニュース映像が一瞬だけ出てきます。まとめ買いするご婦人が見るからに裕福そうでインパクトがあります。

 

「世界を変えた~」の中でも、任天堂が市場を独占していたことを示す資料として、まったく同じニュース映像が出てきます。

素材が貴重なので被りやすいのでしょうか。被ること自体は悪くないのですが、どちらもいつ放送されたニュースなのか説明してくれないのが困ったところ。

ご婦人が手にしているのはゲームボーイ用の「Castlevania The Adventureドラキュラ伝説)」。毛皮を着ているということは、1989年のクリスマスあたりではないでしょうか。となると、売り場のどこかにSEGA Genesisも並んでいるはず。番組内の時系列と映像が若干マッチしてないなと感じます。重箱のスミのツッコミですが。

このご婦人、同じゲームソフトを一度に3本も買っているのが不思議です。知り合いに買ってきてくれと頼まれたのでしょうか? それともゲームボーイを何台も持っている大家族とか? はたまた、保存用と布教用を余分に買うマニアとか?

 

ワコムのペンタブレット

「ONE by WACOM Medium(CTL-672)」というペンタブレットを買ってみました。いわゆる、板タブレットです。サイズが大きいです。

 

陰謀論のオシゴト」っていうアニメに出てくるレーガンさんが気に入ったので描いてみました。元ネタのキャラはもっとカートゥーンって感じの絵柄です。

ソフトは遠い昔に買った「Adobe Photoshop Elements 11」を使ってます。Adobeクラウドにずっとお金を払い続けるのは、個人的に抵抗があります。

今だったら、もうフリーの「GIMP」に移行してもいいかもしれません。

 

「地球外少年少女」というアニメに出てくる折り畳み式の電動車イスを描いてみました。「地球外少年少女」はAIの知能にリミッターを付けてるとか、設定が凝っていて良かったです。謎が完全に解けず仕舞いで、作品的な評価はまだ下せずにいます。

 

ついでなので、過去に使ってきたペンタブも紹介します。

これは1994年ごろに買った初代「ArtPad」。Macintosh用。リアルのペンと同じような感覚で絵が描けるというのは、当時としては革命的なデバイスでした。発売とほぼ同時に飛びつきました。

 

後継機の「ArtPad II」。これはWindows用。USBじゃなくて、シリアルポートに接続して使います。給電はACアダプタ。性能には満足していたのですが、故障してペンが反応しなくなってしまいました。

 

2005年ごろに買ったFAVO(CTE-430)。なぜか表面がツルツルになって、使いにくくなりました。うっかりペンを紛失してしまって、オマケのマウスだけが手元に残ったのですが、小さい板の上でマウスを動かさないといけないという仕様なので、全く使い物にならなかったです。

 

2007年ごろに買った「FAVO(CTE-440)」。ペンのグリップとボタンが取れてしまってボロボロです。

ペンの反対側に消しゴム機能が付いていたり、板にホイールが付いてますが使い道がない。こうやって、コロコロと仕様を変えてしまうのは、何なんだろうか。

デバイスドライバがWindows10に対応してないのが難点です。それさえクリアすれば今でも使えると思います。

 

FAVO」と「ONE by WACOM Medium」を比べてみました。価格帯は同じですが、完全に別物です。技術の進歩を感じます。