日経ソフトウエア2022年3月号

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雑誌「日経ソフトウエア2022年3月号」で特集記事「PCエンジンで動くゲームを作ろう」の第2部を書かせて頂きました。まだ続きます。

 

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PCエンジンエミュレータによる実行結果です。

 

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あと、連載の「IoT時代の電子工作」では非接触温度センサーの使い方を書かせて頂きました。

ハイドライドII for PC-8801(ネタバレ)

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ハイドライドII(1985年)」を遊んでみました。

本作は大ヒットしたARPGハイドライド」の続編です。マップは前作の6倍。魔法(全14種類)、アイテムの売買、ランプのオイル、会話モードなどなど、新機能が大量に追加されています。

今現在、「ハイドライドII」を遊ぶには、プロジェクトEGGの「ハイドライドII for PC-8801」、または「ハイドライド1・2・3」を入手するのがいいと思います。自分の場合は「蘇るPC-8801伝説永久保存版(2006年)」のCD-ROMに収録されている「ハイドライドII」で遊んでみました。これはプロジェクトEGGPC-8801版と同等だと思います。

ハイドライドII」の最大の特徴は超々難解ゲームであること。プレイヤーに優しくなくても良かった時代のRPGです。当時は先着で終了認定証がもらえるというシステムだったので、クリアに時間がかかる必要性がありました。そのため、謎が非常に理不尽です。

 

以下、ネタバレです。

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まずはグールを延々と殺して、プレイヤーのレベルを上げます。単純作業で神経がすり減ります。レベルアップすると体力だけ上がります。

STRは寺院のミニゲームで上げます。このミニゲームは曲者で、納得がいかないまま負けてしまいます。今回はステートセーブでズルしました。

「FORTH(FORCEの誤植?)」は「心」というパラメータで、これが低いと住人に相手にされなくなってしまいます。善玉のキャラを殺すと、FORTHが下がってしまいます。敵キャラにたまに善玉が混ざっています。

 

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墓石を壊すと、砂漠に町が出ます。なお、グールと話すと、たまに「HYDLIDE2はPC88、X1、FM-7ではつばいちゅう!」と答えます。

 

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鍵を使って、塔に侵入。ランプをいちいち点けたり消したりが面倒くさい。ランプのオイルが減っていくのが緊張感があります。

「SEARCH」の魔法で、怪しい部分を捜す。これが面倒です。このゲームは宝箱やトラップや階段が画面に描画されません。

塔の5階で最強の剣を入手。ですが、一向にプレイヤーが強くなった気がしない。どんなに弱い敵でも4回くらい攻撃する必要があります。プレイヤーも1回では死にません。この部分のアルゴリズムが謎です。

 

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岩を破壊すると、ダンジョンが現れます。この中で「HONEST」というキーワードを知ることができます。

 

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橋から水路を泳いで、もう一つのダンジョンに進入します。

ここでボス的なキャラを倒すと、GREEN CRYSTALを入手できます。クリスタルの効果についてはお坊さん(BONZE)がヒントを出してくれます。

 

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砂漠の町。MAGICは魔法屋でお金を払うだけで上がります。
左下の場所でキーボードから「HONEST」と入力してから、右側の水たまりに飛び込むと、地下帝国に入れます。入る時に毒を食らうのが意地が悪い。

 

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地下帝国からは難易度がケタ違いに上がります。敵に全く太刀打ちできません。泳ぐだけで体力が減りますし、安全地帯がどこにもありません。理不尽なトラップも多いです。

瀕死の状態で、地下3階でYELLOW CRYSTALを入手しました。

このナメクジ(SLUG)が出す魔法は回避不能。これはイライラする。

 

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レベルを上げるため、クラーケンを倒します。手間と時間がかかるので、無心でやるしかありません。貯まったお金でSTRとMAGICを上げます。盾と鎧も新調します。ちなみに弱い敵を倒してもEXPは全く上がりません。

 

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地下1階で妖精が出現。最下層に移動するために必要となります。

 

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FIREの魔法で敵を倒して、その場所に行くと、RED CRYSTALが手に入ります。

 

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BLUE CRYSTALを入手。これを取ると、敵と正面衝突しても負けなくなります。もう終盤ですが。

 

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取る順番が通常と違いますが、地下3階でPURPLE CRYSTALを入手。

 

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クリスタルが5つ揃いました。この時点でレベル17です。

 

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地下4階にある階段。妖精が見つけてくれます。

 

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5つのクリスタルを石像にはめると、「神」を自称するラスボス(EVIL CRYSTAL)が登場。もうバラリスはザコ扱いです。MYSTIC DRUGを飲んでラスボスに攻撃。この薬を飲むとプレイヤーが幽霊のようになる、、、ってことみたいです。いまひとつ攻撃が当たっているのかわかりにくいです。

 

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よくわからないうちにラスボスが死んで、画面に「CONGRATULATIONS!」の文字が表示されます。自分にとっては幻のゲームだった「ハイドライドII」が遂に終わってしまいました。この後、スタッフクレジットが出て、最後にパスワードが表示されます。

この「ハイドライドII」は間違いなく超大作ですが、無茶なゲームバランスで実に惜しい出来。ノーヒントだとクリア不可能な謎の連続で、楽しいと思う以前にストレスが溜まってしまいます。ですが、ゼルダドラクエも無かった時代にこれを作ったというのは、大変な偉業です。先進性に全振りしたT&E SOFTらしい作品だと思います。

 

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ついでに、「ATTACK'86 in 秋葉原(1985年)」というイベントでもらったチラシを紹介します。表面に謎のポエムが書いてあります。イベントの告知はベーマガ1985年11月号の広告に掲載。発売前にハイドライドIIが遊べるということで、会場にはファンが殺到しました。

 

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チラシの裏面。この時点で「ハイドライドII」の発売日が告知されています。発売当時は先着100名×3機種=300名に「終了認定証」と「ハイドライドTシャツ」を発行していました。PC-8801のFD版が1985年12月上旬で、テープ版が1986年1月以降ということは、テープ版のユーザーはクリアしても認定証をもらえない可能性が。

 

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ベーマガと「チャレンジ!パソコンAVGRPG(1986年)」です。

ベーマガ1986年2月号の「山下章のレスキュー!アドベンチャーゲーム」で、作者の内藤時浩さんから山下章さんへ挑戦状が送られています。記事の見出しは「なんとT&Eから挑戦状が!!」。「どのくらいの期間で解けるのか知りたくなり、今回の挑戦状とあいなった訳です。」と語る内藤さん。

ベーマガ1986年3月号では「ハイドライドII解けたゾォ!内藤氏にインタビュー」と題して、内藤さんへの電話インタビューが載っています。記事内で、内藤さんは山下さんのクリアは17人目だったと明かしています。山下さんがクリアに要した時間は「2週間ちょっと(実質的には20~30時間ぐらいだけど)」。山下さんは仕事として解いたので、終了認定証は申請していないとのこと。

同ページでは内藤時浩さんのプロフィールとして、入社前に作ったゲームがタイトルだけ掲載されています。一つは「ピョンピョンガエル」。これは「月刊I/O」1983年5月号掲載の「 Frog The Lively ピョンピョン・ガエル」です。もう一つは「ウルトラマンJr.」。雑誌のコンテストで入選したらしいのですが、どの雑誌か不明です。これをリメイクして「Newシティヒーロー」としてBEEPから発売されました。いずれもPC-8001用です。

「チャレンジ!パソコンAVGRPG」には「ハイドライドII」の攻略情報がバッチリ載っています。今回、プレイする時に参考にさせて頂きました。

テラ4001 for FM-7(ネタバレ)

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プロジェクトEGGで配信中の「テラ4001 for FM-7(1984年)」を遊んでみました。同作はスターアーサー伝説3部作の完結編です。ベーマガに長く広告が載っていたので、ご存知の人も多いんじゃないでしょうか。
上の写真は起動時に表示されるスタッフ&タイトル画面です。処理が重くて、1画面更新するのに2秒くらいかかります。

以下、内容のネタバレを含みますのでご注意ください。

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ジャミルという悪の宇宙人に地球が占領されていて、それを奪い返すというストーリー。シージャという町からスタートです。
今回からRPGっぽい味付けになりました。敵にランダムで出現して襲ってきます。どんどん体力が減りますが、「ネル」で回復します。
画面内のパラメータは次の通りです。
・STRENGTH:プレーヤーの体力。0でゲームオーバー。
・CONCENTRATION:集中力です。敵を倒すと増える。低いとプレイに支障が出る。
・SITUATION:プレーヤーの状況。0になっても問題なし。これって意味ないのでは。

 

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ゴミ箱を開けたらボブが登場。
ここでもう行き詰ってしまいました。簡易マニュアルを読んでも、何をやったらいいのか全くわかりません。結局、「チャレンジ!!パソコンAVG(1985年)」とGoogleに頼りました。

 

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「チャレアベ」を読みながら、マップを書き写してみました。これはFM-7版です。PC-6001mkII版はマップが少し違います。

 

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最初にやるべき事はジャンク屋のボスと話すこと。手下に「コルク」と話すと、会えるようになります。
ジャミルヲタオス」とか「ジャミルヲタオシマス」とか言うと、テスが取れるようになります。難しいにも程がある。
あと、外に壊れたハンググライダーが落ちてるので拾います。

 

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ここで「キススル」コマンドを2回実行してから、TALKモードで「ハンググライダー」と入力すると修理してくれます。今だといろいろとダメですね。
この近くに掃除ロボットが居るので、破壊して「キュウバン」を取っておきます。

 

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コルクさん。ここで、壁のパネルにテスをつなぐとポートシティAの機能が停止します。PC-6001mkII版だと、コルクさんは敵のスパイっていうことになっていて、ここで殺さないといけません。昔、プレイした時はショックでした。FM-7版は殺さなくていいです。

 

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「ノボル」コマンドでセンタービルを登ります。結局、ボブは活躍しないで終わってしまった。
センタービルの屋上からハンググライダーで飛びます。ポートシティAの機能を停止させておく必要があります。あと、アイテムが多すぎたり、昼間に飛ぶとゲームオーバーです。ハッキリと原因を教えてくれないので、意地が悪いです。

 

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本作最大の目玉、フライトシミュレータモード。ポートシティAに飛んでいくアクションゲームになります。たぶん元ネタは「ニューヨーク1997」。ビルに衝突したり、着地の場所や角度、速度が悪いと死んでしまいます。

 

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ポートシティAに着いたら、「惑星メフィウス」に登場したアントニオイノシンに再会。アルキンZで体力が回復します。TALKモードで「メフィウス」と話すと、VHD版の宣伝をしてくれます。

 

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ポートシティAのマップです。

 

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検問。ジャミルの市民にレシーバーを売ってお金を作ります。それから、ショップでアクアラングを買います。タンクにアクアラングを付けてから爆破します。爆発したことで、検問から敵兵が居なくなります。

 

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恒例のハマチネタ。ジャミルの市民から「T&E SOFT ノ ハマチベヤ イッパクツアー」というセリフが返ってきます。もしかして、「ハマチ部屋=ハマチの養殖みたく混雑している部屋」って意味なんでしょうか。「ハマチ」の謎が少し解けた気がします。

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ゴンダーに再会。「セラミックディスク」と言うと、セラミックディスクがもらえます。これがないと詰んでしまいます。

 

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宇宙港の受付。もう難所の連続です。レディーロボットにTALKモードで「カセリアサマ レイソード トドケ」と言うと、通ることができます。Cの搭乗口から飛行機に乗ると、海上都市に行けます。

 

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海上都市のマップ。最後なのにマップが狭いような。

 

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敵に遭遇しすぎて、ボロボロの状態です。あとになって気が付きましたが、敵とは真面目に戦わないで、通り抜けが可能でした。この画面、右下の小窓みたいな部分を撃つと、入る事ができます。

 

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入った先にマザーコンピューターの端末があります。スリット(わかりにくい)にセラミックディスクを入れると、レイソードの謎が明らかになります。「ヒネル」コマンドでレイソードの取っ手部分を開けます。ミステリウムを入れて準備完了。

 

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セラミックディスクを取ると、「暗黒星雲」に登場した老人が現れて、マザーコンピューターについて、重要な説明をしてくれます。この終盤に来て、マザーコンピューターの破壊がゲームの目的であると判明します。この後、TALKモードで「シールドカイジョ」と「ドアロックカイジョ」と入力します。まさか、1984年の時点でサイバーパンク要素を取り入れているとは!? 時代を先取りしすぎです。このメッセージを読み飛ばしてゲームを進めてしまうと、もったいないことになります。

 

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マザーコンピューターの手前でルナに遭遇。ルナを殺さないと先に進めません。先ほどの話によると、ルナの意識はマザーコンピューターに取り込まれたので、ルナの肉体を殺しても平気ってことでしょうか。ドアは「オス」コマンドでスイッチを押すと開きます。

 

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レイソードでマザーコンピューターを破壊。ついでに老人とルナの意識も殺してしまいます。非情すぎる展開。

 

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スタート地点に戻ると、カセリアとの一騎討ち。書籍「惑星メフィウスはこうして作られた」を読むと、暗黒星雲のボツ画像の中にカセリアが死んでる場面が載っています。そのボツ画像とここでカセリアが死ぬ画面がそっくりです。もし、前作でカセリアが死んでいたら、本作には別のボスが登場していたんでしょうか。

 

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カセリアを倒したら、脱出艇に乗り込みます。この後、レイソードが爆破するので、事前にレイソードを捨てておきましょう。プロジェクトEGG版の場合、レイソードを捨て忘れたまま乗ると、ゲームオーバーのメッセージ表示が早すぎて読めません。キーの入力待ちが作動してないようです。

 

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海上都市が大爆破。この次の画面でエンディングです。1000年以上続いたジャミルとの戦いがマザーコンピューターを壊しただけで終わってしまいました。1984年当時に遊んでいたら大満足だったと思うのですが、、、。

 

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この「テラ4001」、前作と同じくメインプログラムはBASIC で動いています。TALKモード中にCTRL+Cキーを押したら、プログラムが止まります。そのままだと、Protected Programと出るだけですが、「MON」と「POKE」命令を使うと、リストが見れるようになります。

 

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シージャの町のプログラムの一部。

 

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フライトシミュレータのプログラム(FLYGH)。ゲームの基本部分はマシン語を使ってます。

 

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海上都市のプログラムの一部。本編ではレイソードを捨て忘れた時のメッセージを読めなかったのですが、こうすれば読む事ができます。

 

RPG的要素を取り入れるというチャレンジ精神はさすがT&E SOFT。本作はまぎれもない超大作なのですが、戦闘が単調だったり、マップが空虚だったり、ところどころ残念な部分があって、評価を下げている感じがします。
最大の問題は難しすぎること。ゲーム内にヒントがほとんどない。いくら頑張って考えても正解にたどり着けません。当時のパソコンゲームは難解さを誇り、当時のユーザーはそれをクリアしたことを誇っていました。パソコンゲームが超マニア向けだったという歴史的資料となります。ちなみに、チャレアベによると「テラ4001」は四番目に質問の多いゲームだそうです。