「カセットビジョン」を分解してみました。
スーパーじゃないほう(初代)のカセットビジョンです。
「カセットビジョン」の外観です。1981年にエポック社が発売したTVゲーム機。
テニスゲームなどを遊べるようにパドルが4個も付いてます。レバーは2人プレイを想定して2つ付いてます。レバーは左右にしか動きません。「パクパクモンスター」は4個のプッシュボタンで操作します。
カセットビジョンの功績はファミコン発売の約2年前にカセット式というスタイルを世間に広めたこと。「きこりの与作」はハイテク満載の画期的なゲームでした。今だとショボいと思われますが、当時の反応は全く逆です。
基板は全部で4枚。カートリッジ接続基板、RF基板、電源パネル基板、コントローラ基板。と勝手に名付けました。コントローラ基板⇨電源パネル基板⇨カートリッジ接続基板⇨RF基板の順につながってます。ファミコンと比べると、洗練されていなくて、ごちゃごちゃしてます。うっかりすると断線しそう。
カードエッジコネクタ(36ピン)は2.54mmピッチですね。これなら千石電商で売ってます。
基板の各所に端子名が印刷されています。親切です。
説明書によると、専用のACアダプタはセンターマイナスのDC6Vとのこと。直径2.1mmのDCプラグが使えます。秋月製のACアダプタ(センタープラス)の極性を反転してつないでみました。
写真のものは定電圧タイプですが、これだと電圧が高すぎますね。定電圧なら5Vがいいと思います。基板上に三端子レギュレータが見当たらないのが怖いところ。
A1〜A18、B1〜B18はカードエッジコネクタの端子名です。今回、分解した目的はこれを調べることです。
驚いたことに、テスターで測ってみると、VSSの電圧が「-5.5V」でした。マイナスの電圧です。うっかり壊したかと思って、血の気が引きましたが、どうやらこれが正常みたいです。この回路、GNDがVCCとして機能していて、VSSが信号のGNDとして機能しています。ACアダプタのプラス側がGND につながってます。ACアダプタのGND側がVSSに。
ややこしすぎます。
フラットケーブルが邪魔だったので別アングルから。
GPとGPINは光線銃の端子ですね。
CLKは動作クロック(約3.579MHz)です。
Soundは音の信号。
おそらく、Videoは映像信号。 B-Y、R-Y、CR-REは色の信号。基板の印刷そのまま書いたので、よくわかってません。同期信号が見当たりません。
上の図では、ところどころに「6V」と書いてしまったのですが、5Vが正解かもしれません。
コントローラ基板です。ポートを節約するため、キーマトリックスになってます。「S~」が出力で、「K~」が入力。論理が不明ですが、スキャンしたい時は出力をLowにすると思います。
電源パネル基板。スライドスイッチをONにすると、VSSがつながります。つなぐなら普通、VCC側だと思いますが、仕様が独特です。
カートリッジも分解してみました。これは「ギャラクシアン」。たぶんナムコと関係ないと思います。
端子名は本体側を調べた内容から推測しています。間違っていたらすみません。
カセットビジョンはカートリッジ側にCPU(NEC製)が入っています。ワンパッケージなので、Romの吸い出しができません。対応するエミュレータもないと思います。
カートリッジの自作もできないのが困ったところですが、CPUごと載せ替えればなんとかなるかもしれません。
あと、カードエッジのA18がなんなのか、わかりませんでした。
A18をたどっていくと、黄色いワイヤーがRF基板につながっていました。ここで手詰まりでした。ヒートシンクの下にRF信号を発生させるICがあり、そこにつながってます。
言い忘れましたが、RF信号でアナログ放送なテレビに出力するので、今の地上デジタルなテレビでは映りません。