「とりでの攻防」の元ネタ

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「とりでの攻防」が載っているベーマガ1989年5月号

ベーマガの投稿作品で有名なものというと、高確率で挙がるのが「万引少年ゲーム」「N-TYPE」「とりでの攻防」だと思います。

「万引少年ゲーム」は月刊RAM掲載の投稿作品の移植。

「N-TYPE」は「R-TYPE」をリスペクトした作品です。どちらも元ネタがあります。

そして、最近になって「とりでの攻防」にも元ネタがあるんじゃないか、、、という考えが強まってきました。ただし、確証がなく、断定できない状態です。デマだったら、早々に謝罪して訂正しないといけません。

元ネタと思ったゲームは「Artillery Duel」です。砲台の角度設定、風向きの要素など、類似点が多々あります。

「Artillery Duel」はAtari2600版、コレコビジョン版、コモドール64版などがあり、Wikipediaに専用ページがあるくらい有名なようです。残念ながらAtari Vaultに収録されていません。

この「Artillery Duel」は驚くほど歴史が長いです。

 

archive.org

このぺージによると、最も古いバージョンは1980年5月に同人誌で公開したBally  BASIC版とのこと。これは「Bally Astrocade」というゲーム機に専用カートリッジを挿し込むと、BASICでプログラミングできるという仕組みだそうです。こんなファミコンSG-1000みたいなコンセプトを1978年に実現していて驚きです。Bally Astrocadeはかなりマイナーなゲーム機に思えますが、もしかして、海外だと有名なのかもしれません。

 

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Bally BASICのマニュアル(archive.orgより)

リニューアル版(1981年)のBally BASICのマニュアルには「Artillery Duel」のプログラムリストが掲載されています。プログラムのサイズはわずか1ページ半です。

1982年にはカートリッジ単体でBally Astrocade版の「Artillery Duel」も発売されていますが、それはBASICじゃなくて、マシン語で動いていると思います。

 

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ポトリス東京おもちゃショー2002のバンダイのパンフレット)

以下は余談ですが「Artillery Duel」のような大砲を使ったゲームを「Artillery Game」と呼ぶみたいです。日本だと聞いたことがないですが。

Artillery Gameとして、まず思い付くのが約20年前にバンダイが配信した「ポトリス」です。上の写真は東京おもちゃショー2002の会場で配っていたバンダイのパンフレットの裏表紙。パンフレットにポトリスインストーラ(CD-ROM)が付属してたり、TVアニメになったり、プロモーションが本気でした。

 

ボードゲーム「カイケツマン」

約40年前に遊んだボードゲームカイケツマン」を紹介します。

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ボードゲームの詰め合わせ

外観はこんな感じ。箱にはボードが5枚くらい、コマとかカードが入っています。合計で10種類くらいのボードゲームが遊べるセットになっていて、「カイケツマン」はその中の1つです。写真中央の探偵っぽいキャラがカイケツマンだと思います。

ちなみに「カイケツマン」でググっても全く情報が出てきません。自分がコンピュータゲームに熱中する前に遊んでいたので、1980年代の前半の製品だと思います。ボードに「HANAYAMA TOY」と印刷されているので、はなやま玩具(現 ハナヤマ)製ですね。説明書も外箱も捨ててしまったので、このセットの商品名がわかりません。詳細をご存知の人は教えてください。

 

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「カイケツマン」カード

「カイケツマン」の遊び方ですが、箇条書きにすると、、、

・探偵が犯人を当てるというゲーム。

・2~4人で遊ぶ。

・カードは「犯行時刻」「犯行場所」「犯人」「凶器」の4項目に分かれている。この中から当たりのカードを各項目一枚ずつランダムで選んで、伏せておく。

・残ったカードをプレイヤーに分配する。

・ボードのマス目にコマを置く。サイコロを振って出た数だけコマを移動。

・コマが屋敷に入ると、伏せているカードを推理できる。

・推理内容に違いがあったら、相手がカードを1枚見せる。

・はずれを除外していって、最終的にカードを当てる。

、、、うろ覚えになってますが、こんな感じだったと思います。

消去法で正解を割り出していくという、よくあるゲームですが、ミステリー仕立てというアイデアが画期的です。相手との心理戦が面白かったと記憶しています。

 

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「clue board game」で検索

、、、で、今さらですが、「カイケツマン」に元ネタがあるということに気が付いてしまいました。「CLUE」というボードゲームです。ヨーロッパだと「CLUEDO」と呼びます。このCLUEは1940年代から売られていて、かなり有名なゲームらしいです。作ったのは超大手おもちゃメーカーのハズブロ

カイケツマンとCLUE/CLUEDOは微妙にルールが違っています。CLUE/CLUEDOは「犯行場所」「犯人」「凶器」の3項目を推理するゲームのようです。

 

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「他の人は自分の番まで目をそらしてください」

実は、昔から「カイケツマンをコンピュータゲーム化したら面白いんじゃないか」と思っていましたが、やはり同じことを考える人は居るものです。

1992年にCLUEがSNESスーファミ)とGENESISメガドラにゲーム化されていました。日本版は発売されていません。これは29年前のゲームですが、メーカーのWebサイトで今でもマニュアルが公開されています。

https://www.hasbro.com/common/instruct/Clue-SUPERNINTENDO.pdf

読むとわかりますが、ボードゲームの内容をそのままコンピュータゲームに落とし込んでます。ボードもサイコロも律儀に再現。多人数で遊んだ場合、操作中のプレイヤーがカードを画面に映している時、他のプレイヤーは画面から目をそらさないといけません。これは、ゲームとしてちょっと無理があると思います。

「CLUE」は今も人気があって、なんと、Nintendo Switch版、iOS(iPhone/iPad)版、Google play版、STEAM版が現在発売中です。

https://www.marmaladegamestudio.com/games/clue/

これらはローカル通信に対応しているので、もう画面から目をそらす必要がなくなっています。シングルプレイも可能ですが、心理戦が魅力なので、コンピュータ相手だと面白くないような気がします。

Switch版とiOS版は絶賛おま国状態です(日本語表示に対応してるのに!)。

STEAM版は日本からでも購入可能です。

 

プチコン4からMSXパソコンへのプログラム転送

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プチコン4でピーガー音を鳴らす

プチコン4からMSXパソコンへのプログラム転送ソフトを作ってみました。CASファイル(カセットテープのイメージ)をリアルタイムでピーガー音に変換して鳴らしています。プチコン4にはPCM波形を作りながら再生できるという便利な機能があるので、それを活用しています。

公開キーは「4KK4QS3Q4」です。題名は「PIGA」です。

Nintendo Switchのヘッドホン端子とMSXパソコンのデータレコーダ用の入力端子をケーブルで接続して、プログラムを実行します。MSXパソコン側は「CLOAD」コマンドを実行します。

 

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プチコン4の画面。送信中の様子

プチコン4側は送信したいCASファイルを格納しておきます。PC-6001MSXに対応しています。ヘッダを見て、PC-6001MSXかを勝手に判断して、送信方法を決めています。

このソフト、今のところまったく使い道がありません。Nintendo SwitchにCASファイルを入れる手間が増えるだけです。

(2021/09/07追記)

PC-8001の実機で確認していませんが、CMTファイルにも対応してみました。これでPC-8001エミュレータから外部へファイルを持ち出せるかもしれません。

あと、イメージファイル内に複数のファイルが混ざっている場合(00が10回連続している場合)、送信をいったんストップするようにしました。ボタンを押すと送信を再開します。

FRAM搭載カートリッジの話

突然ですが、世の中には「FRAM」を搭載したカートリッジというものがあります。電池不要で電源を切ってもセーブデータが消えない。書き込み速度が速い。フラッシュメモリのようにページ単位で消す必要もない。

という、理想的な記録メモリがFRAMです。欠点を挙げるとすると、値段が割高であることと、入手性があまり良くないこと、大容量に対応できないことでしょうか。

FRAMは珍しいものではなくて、2003年ごろからゲームに採用されています。それ以降のゲームボーイアドバンス用のカートリッジにはFRAMが搭載されている可能性があります。

 

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SRAMのバックアップ

それよりも古いゲームの場合、セーブデータをSRAMに記録するのが主流でした。ファミコンスーパーファミコンゲームボーイの時代にはSRAMを搭載したカートリッジが大量に作られました。上の写真はスーファミ用の「マリオペイント」です。たった32KBの中にユーザーの描いた画像を記録していました。

SRAMは記録の保持に電池が必要です。この手のカートリッジはリチウム電池を使っているので、数十年は持ちます。しかし、いつかセーブデータが消えるんじゃないかという不安感は残ります。

 

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FRAM搭載カートリッジ(メルカリにて)

ネットを検索すると、SRAMFRAMに交換した改造カートリッジが販売されています。値段も2000円弱から始まっていてお手頃です。

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FRAMが見えない!?

ただ、写真を見て、なにか変だな、と思ったのですが、FRAMが見えません。わざとらしく、シェルを重ねて、FRAMを隠しています。

なぜ、隠すのか? というと、FRAMの型番を知られたくないから。なぜ、型番を知られると困るのか、、、わかりません。これは深く追求しないでおきます。

 

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一個700円くらい

ちなみにFRAMをまともな方法で買おうとすると、最安値が700円くらい(1個単位の場合)。ショップの最有力候補はDigi-Keyですね。こういうのが、秋葉原で手軽に買える環境になって欲しいです。

 

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AliExpressでFRAMを検索

AliExpressで「FM16W08」で検索すると、たくさんヒットします。値段は200円くらいで、相場の三分の一以下。本当にFRAMなのかと疑うくらいの安さです。よく見ると、メーカーの表記が無かったり、塗りつぶしてたり、怪しすぎです。

秋月で売ってるABS樹脂ケース

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ABS樹脂ケース

「ABS樹脂ケース(蝶番式・中薄型) 112-TSS」(写真左)を買うつもりが、間違って「ABS樹脂ケース(蝶番式・中) 112-TS」(写真右)を買ってしまいました。最近は通販が主体になっているので、こういうミスをしてしまいます。型番が1文字違うだけなので、さらに間違えやすい。

ちなみに左が130円で、右が120円。大きいほうが10円安い。秋月で売ってます。

このABS製のケースは透明度が高くて、傷が付きにくくて、おまけに安くて、オススメです。これ使ったら、もうスチロール製のケースには戻れません。

 

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ファミコンのカートリッジを入れる

間違えて買ったケースを何かに使いたいと思ったので、ファミコンのカートリッジを入れてみました。

ほぼサイズがピッタリです。しかし、厚みに数ミリの余裕があるので、振るとカラカラしてしまいます。同様にメガドライブMSXのカートリッジもほぼピッタリでした。スーパーファミコンのカートリッジは全く入りません。

 

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カセットビジョンのカートリッジを入れる

カセットビジョンのカートリッジを入れてみました。これはカートリッジに厚みがあるので全方向にピッタリでした。「カセットビジョン専用ケースです」と言われたら信じそうなくらいの出来の良さ。純正品のケースが割れてしまったら、コレに取り替えたらいいと思います。

 

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オーディオテープのケースを入れる

最後にオーディオテープのケースを入れてみました。厚みが余りますが、ピッタリですね。ケースにケースを入れても意味ないですが。

このケース、万能じゃないかと驚いてしまったのですが、よくよく考えると、ファミコンカセットビジョンもこのオーディオテープを参考に寸法を割り出したんじゃないでしょうか。それなら、サイズが合う現象にも合点がいきます。