「回路図エディタBSch3V」用の自作ライブラリを公開しました。回路図エディタというのは、回路図を描くためのツールです。
280種類以上の部品を登録してあります。
前回の続きです。
プロジェクトEGGで配信中のゲーム「獣神ローガス(1988年)」をクリアしました。
このゲーム、所々で「名作だ」と感じましたが、同時に残念だと感じる部分もあります。難しすぎて、途中で投げそうになりましたが、コツをつかんだら楽しめるようになりました。
できれば多くの人にプレイして欲しいので、攻略方法とエンディングについて書いておこうと思います。
(以下、ゲームのネタバレです)
ゲームの最大の特徴は、シミュレーションゲームとアクションゲームを交互にプレイするということ。それぞれ「作戦モード」「戦闘モード」と呼んでます。
最初は「作戦モード」からスタート。主なメニューのコマンドは以下の通りです。
・攻撃:敵のベース(基地/要塞)を攻撃。攻撃できるのは現在地に対して隣のベースだけ。
・移動:現在地の移動。移動できるのはベース1つぶんだけ。
・戦力移動:味方内のベースの戦略を動かす。
・修理:機体を修復する。
・弾薬補給:弾薬を補給する(バルカン以外)。
他にも「補給妨害」とかがありますが、使わなくていいです。作戦モードはターン制なので、コマンドの一つ一つをムダにできません。1ターン進むと敵のDEFENCE(戦力)が増えていくので、それ以上のペースで敵を削らないと進みません。
こちらが戦闘モード。
このゲーム、シミュレーション部分が重要で、自機の性能に対して敵のDEFENCEが高すぎると、アクション部分でどう頑張っても勝てません。「攻撃」すべきかはDEFENCEで判断します。
最初が一番難しいという鬼のようなゲームデザイン。
キーボード(ジョイパッド非対応)なので、操作に慣れないといけません。操作性は良くないです。
方向反転が[X]。
攻撃が[Z]。
武器交換は[SHIFT]+[Z]/[X]。なぜこんな面倒なキーアサイン?!
特に感心するのが、戦闘のきめ細かさ。いろいろ考えて戦わないといけません。
弾は無駄撃ちしないで的確に当てる必要があります。逃げる敵を撃たないで弾を温存するのもあり。逃げる途中、狙った場所で誘爆させることも可能。
自機と建物が重なった状態だと、建物が盾の役割を果たします。ただし、建物が爆発するとダメージを負います。
あと、飛べるようになったら、画面の上に逃げるというテクニックがあります。
砲台は敵にカウントされていないのですが、邪魔なのでつぶします。
当たり判定が細かいです。たとえば、上の写真の状態だと、この位置でしゃがみ攻撃しないと弾が当たりません。逆側から攻撃してもダメです。初回からマップの意地が悪い。
戦闘モードでのコツは死にそうになったら「失敗」すること。画面の右か左に移動を続けると作戦失敗になります。失敗扱いですが、敵を削ることができるし、経験値も残ります。修理・補給を繰り返せば、そのうち勝てるようになります。
このテクニックは残り時間が足りない場合にも有効です。ゲームの難易度が一気に下がってしまうので、面白味が減ってしまうかもしれません。
コマンドは状況に合わせて細かい判断が必要です。
・自機が破損した→「修理」コマンド。
・弾薬がなくなった→「弾薬補給」コマンド。
・ベースにDEFENCEが足りない→「戦力移動」コマンド(敵に接していないベースからDEFENCEを集める)。
・自機の体力と弾薬に余裕がある→「攻撃」コマンド。
敵を足止めするには「戦力移動」を使います。敵に接しているベースのDEFENCEが高いほど敵が襲ってくる確率が減ります。連携して襲ってきたり、ごくたまに負けるのにわざわざ襲ってくる時があります。このアルゴリズムがよくできてます。
上の写真のような場合、上のベースにDEFENCEを集中させます。離れているベースのDEFENCEは犠牲になります。
いちいち移動する数を指定しないといけないので、手間がかかります。ゲーム終盤になって、まとめて戦力移動できることに気が付きました。
プレイヤーレベルを上げていくと、武器を強化できます。武器のバリエーションが多くて面白いです。
優先すべき武器は「BALKAN」です。その次が「BEAM」でしょうか。
後半で「FIXER」というのが手に入るのですが、それを使うと体力回復が可能です。
敵の攻撃はターンの手前で割り込んできます。最悪の場合、1ターンごとに邪魔されるので、自機の立て直しを優先します。
プレイヤーレベルを上げると「僚機」が使えるようになるのですが、これがあまり役に立ってくれません。勝手に誘爆したりアホすぎる。
上の写真はESCキーを押して撤退させている様子。
「修理」と「弾薬補給」では、僚機は自機と別にターンを消費するのもつらいです。非情に見捨ててもいいと思います。
終盤の要塞で敵を排除すると、サプライズ的にボスが登場します。
ここでまともに戦うと残り時間も弾薬も足りないので、わざと作戦失敗させて、再チャレンジするのがいいと思います。
攻撃が激しいので、まともに向かい合ったら勝てません。段差を利用するか、僚機をおとりに使って攻撃します(残酷)。
最後の要塞。ここは全部の要塞を落とさないと攻撃できません。
周辺の要塞は1ターンごとにどんどんDEFENCEが上がってしまうので、厄介です。ターンをムダに消費しないように心がけます。
最後の要塞はボスが2体登場。
一体ずつ戦えばなんとかなります。勝てなかったら、わざと失敗して再チャレンジ。
(以下、エンディングまで載っているのでご注意ください)
ボスを倒すと、「まだ敵を倒していない」という感じのメッセージが一瞬だけ表示されます。
そして、右に進んでいくと、モノリスっぽい建造物があります。
同じものがベーマガの1988年4月号に載っていたのですが、今にして思うと豪快なネタバレでした。
突然、ラスボスが登場して、一騎討ち。
敵は主人公を知ってるような口ぶりですが、プレイヤー置いてきぼりです。
背景の木みたいなやつは、本作の広告でおなじみのアレですね。まさかゲーム内に出てくるとは思わなかった。想像と違って、パイプが伸びていないです。
ここは上昇を続けて、自機を画面外に逃がせば弾をかわせます。死んでもリトライが可能なので、勝てると思います。
ラスボスを倒すと、木みたいなアレが喋ります。テレパシーでしょうか。
名前は「マインドエンハンサー」。
35年間ほど、ずっとアレの名前が「獣神ローガス」だと思っていたのですが、勘違いでした。
「(あなたはターミナルに適合します・・・)」と語る、木みたいなアレ。
メッセージの表示時間が短いです。持ち時間が0になるとゲームオーバーになってしまうルールなので、進行が早いほうがありがたいのですが。
自動的に画面が暗転して、「ROGUS」の文字が。
スタッフ名が出ません、、、エンディングなのかこれは?
c.mosさんの名前を見たかった。
この画面のまま、音楽が2分半ほど流れます。
音楽が終わると、最後にメッセージが。
ここにきて、ゲームの舞台が「ネビュラ恒星系第五惑星サゴス」とか、敵が「反乱軍部隊」とか、伏線が「先住種族の遺跡」だったとか、重要な情報が明らかになります。これ、説明書にも載ってないんですよね。
勝手に解釈すると「敵は宇宙人の高度な文明に触れて、頭がおかしくなってしまった元味方」か。「J.P.マクガドル大佐」っていうのは、主人公でしょうか? ということは、木みたいなアレに遭遇して無事に帰ってこれたのでしょうか。はたまた、謎の力に取り込まれたのか。もう少し描写が欲しいところです。
「獣神ローガス」という題名は今も謎のままです。
(追記)タイトル画面で1分くらい放置すると、長い長いストーリーが表示されました。知らなかった、、、。少佐って書いてありますが、あとで大佐に昇進したのでしょうか。
プロジェクトEGGで配信中の「獣神ローガス(1988年発売)」を遊んでみました。
PC-9801がまだゲーム機として根付いてなかった頃、PC-9801専用として出たチャレンジングな作品。
じゅうじんじゃなくて、じゅうしんって読むんですか? 35年間、勘違いしてました。
このゲーム、第一印象は最悪で、面白い/つまんない以前に全く遊べない状態です。1画面進んだら敵にボコボコにやられてGAME OVER。キーボード操作だし(ゲームパッド非対応)、ジャンプ中の移動が不可能だし、自機は脆いし、動きがモッサリしてるし。そして、敵は固くて、素早い。
なんだこれは?!
すぐに放り出したのですが、当時のパソコンゲームって、こんな感じだったなと。やたらとプレイヤーに厳しい、そういう文化がありました。
気を取り直して再チャレンジ。30回くらい死にまくって、やっとコツがわかってきました。面白さが見えてくるまでに時間がかかります。
このゲーム、画面内容をきちんと読み解かないと、クリアできません。付属の説明書では説明が足りないので、補足してみました。
特に重要なのは、武器コンディションです。オーバーヒートするので連続攻撃は厳禁。
あと、誘爆に注意。突撃はNGです。基地は壊さないほうがいいのですが、誘爆狙いで壊すのもアリ。操作性の悪さは気合で乗り越えます。
当時のベーマガの広告。絵は加藤直之さんですね。クリムトにギーガーを混ぜたような感じで、インパクトあります。
広告は全部で11回ほど掲載されているのですが、前代未聞の発売日変更ラッシュです。
・1986年12月号「11月下旬発売!」
・1987年1月号「2月下旬発売!」
・(1987年2~3月号 広告未掲載)
・1987年4月号「3月下旬発売!」「構想一年、プログラム3回追加」「温めすぎるほど温め、遅れに遅れた『獣神ローガス』がついに火を噴く!」
・1987年5月号「4月下旬発売」
・1987年6月号「6月発売!」「またちょっと延期になります。ごめんなさい。」
・1987年7月号「7月発売!」「発売延期が幾度となく続いた『獣神ローガス』がついに皆さまの前に登場することになりました。」
・1987年8月号「7月発売!」
・1987年9月号「8月発売!」
・1987年10月号「9月発売!」
・1987年11月号「10月発売!」
、、、この一連の広告の凄いところは画面写真が一度も載らなかったこと。そして、発売日を明かす前に広告が一旦終わったことです。
・1988年6月号(最後の広告)。ここで画面写真が載ってます。
最初、対応機種は「PC8801シリーズ、X1シリーズ(FM7/77/AV、MSX移植中)」とアナウンスしてましたが、1987年4月号から「PC9800シリーズ、X1シリーズ(PC8801、FM7/77/AV、MSX移植中)」に変わりました。
「毎秒18コマ、2000画面、8方向スクロール オールアニメ ロールプレイング アクション」という謎のキャッチコピーは1987年4月号までで、5月号から消えてます。
PC-9801版完成のお知らせは1988年1月号の「RANDOM POST」(巻末の企業ページ)に掲載されています。これを書いたのが、山口祐平さんという方です。獣神ローガスのプロジェクトに参加していないとのこと。8ビット版の移植に自信満々なコメントを寄せています。結局、8ビット版は発売しませんでした。理由は不明。
獣神ローガスの発売日が不明ですが、半ページのレビューが1988年3月号(2月売り)に掲載されているので、1月後半じゃないでしょうか。
ベーマガ1988年4月号に手塚一郎さんによる獣神ローガスの紹介記事が3ページ載ってます。絶賛に近い評価でした。
話はこれで終わりだったのですが、、、
「獣神ローガス」で検索したらプログラム担当がc.mosさんだったことを知りました。衝撃の事実。c.mosさんは「WonderWitch」のBIOS(FreyaOS)と関連ツールを作った人。「VZ Editor」の作者として有名ですね。「蘇るPC-9801伝説 永久保存版(2004年)」の「PC業界キーパーソンが語る」というページにも登場します。バイナリエディタの「BZ」は今もお世話になっています。
「獣神ローガス」と「WonderWitch」はどっちも8086系のCPUで動いているという共通点があります。アセンブラでコードが書ける人って、いつの時代も貴重です。
あと、Wikipediaで「ミネルバトンシリーズ」っていう項目が出てきたんですが、一体、何なんでしょう。ファミコンゲーム「ミネルバトンサーガ(1987年)」 のエンディングを見ると、SOUND担当として、c.mosさんのお名前があります。どう考えても、ミネルバトンサーガと獣神ローガスの開発期間が重なります。
ミネルバトンサーガ、ゲームデザイン担当の「HEY YOU」が先に登場した山口祐平さんですね。検索したら、著作が一杯ある人でした。ランダムハウスには「暗黒城」「リグラス」の頃から参加されてます。ちなみに「リグラス」は「獣神ローガス」よりもプレイヤーに厳しいです。
(2021/10/12追記)
戦闘を繰り返すと、レベルが上がっていって、装備がアンロック&パワーアップされます。
今のところ確認できたのは、SHIELD、BALKAN、BEAM、BAZOOKA、BOMB、MISSILE、FIXERの7種類。
最初に使えるのはBALKANだけ。BALKANは弾切れしないが、連続使用できない。
FIXERは効果が不明。
一進一退の繰り返し。敵が無限に襲ってくるので、DEFENCEを補充してもキリがないです。なにかコツがあるんでしょうか。
続き
プロジェクトEGGで配信されている「ハイドライド WIN版 1・2・3セット」を紹介しておきたいと思います。これは「(初代)ハイドライド」「ハイドライドII」「ハイドライド3」をまとめたお得なセットです。他に「アレンジ版」や懐かしい資料も収録されています。
上の写真がメニュー画面です。
「ハイドライドII」だけアレンジ版がありません。
アレンジ版の画面です。グラフィックを入れ替えただけなので、挙動はオリジナルと同じという仕様です。1セル単位のガクガクした動きですが、当時はコレが普通です。
ESCを押せば、画面をオリジナル版/アレンジ版に切り替えできます。実際にはオリジナル版とアレンジ版は同じソフトというわけです。
あと、キーボードの「O」を押すと「オーバードライブモード」になり、入る経験値が8倍になります。一気にゲーム性が崩壊するので、使わないほうがいいです。
オリジナル版に設定した画面です。
オリジナルなのにオリジナルっぽくない挙動が気になります。まず、動きが早すぎますが、これは、スピードをMINに調整すれば解決です。
問題なのは、ダメージを与えた時の反転処理がないこと。戦っている手ごたえがありません。あと、ダメージを受けると、たまにブロックノイズっぽく光るんですが、演出じゃないですよね。もしかして、自分のPCの問題かもしれません。
参考までに「蘇るPC-8801伝説」付属CD-ROMのハイドライドの画面。
こっちはエミュなので、再現性は文句なしです。一瞬で即死するという、鬼のような難易度もそのままです。しかし、根性でレベルを上げたら何とかなります。何度死んでもリトライする気になるというのが、名作の証拠ですね。改めて遊んでみると、敵の動きがよくできてます。ランダムっぽさの配分が絶妙です。あと、レベルを上げると強いザコキャラが出るというアイデアは時代を先取りしてます。
この「~ 1・2・3セット」の最大のウリは「ハイドライドミュージアム」が収録してあること。いわゆる資料集です。若いスタッフがノリノリで仕上げていて、1999年ごろまではT&E SOFTは元気があったんだなと感じます。
ここに「ログイン」のソフトウェアランキングの推移が載っているんですが、「ハイドライド」が5号連続で第一位という偉業を達成したのが、1985年6月号~10月号とあります。人気が出るまでに発売から4~5か月もかかっていたということになります。
「ハイドライドミュージアム」で特に注目のコンテンツが山下章さんと内藤時浩さんの対談記事です。収録時期は1999年。この中で、山下さんと内藤さんが最初に顔合わせしたのが「ATTACK」だと書かれています。
「ATTACK」というのはT&E SOFT主催のイベントです。
「ATTACK'86」は1985年11月23~24日に開催してます(1986年ではないので注意)。会場は秋葉原のラジオ会館。ベーマガ1985年11月号と12月号にイベントの告知が載ってます。「ATTACK'86 in 名古屋」と区別するため「ATTACK'86 in 秋葉原」と呼んだほうがいいかもしれません。
(「ATTACK'86 in 名古屋」は1986年8月22日に愛知青少年公園で開催したイベントです。参加人数100人。)
告知した時点では、「ハイドライドII」も「レイドック」も発売されておらず、雑誌に写真が載ってるだけでした。新作への期待が極限まで高まっている中で、それを生で見れるという、とてつもなく魅力的なイベントでした。
チラシには書かれてませんが、山下章さんの「チャレンジ!パソコンアドベンチャーゲーム」が1985年11月22日に発売され、会場で販売も行っていました。ラジオ会館の階段にお客さんの大行列ができていた記憶があります。自分はお金を持ってこなかったことを激しく後悔。サインをもらうには本を買う必要がある、そういうルールをここで初めて知りました。
イベントの方は無料でした。最初に整理券が300枚配られて、100名ずつ、3回に分けて開催しました。自分は170番だったので、2回目のを見ました。整理券の配布時にも、入場前にも長い行列ができました。
イベントでは「レイドック」「ハイドライドII」の順に映像を流して内容を説明していました。
「ATTACK'86」に行った感想を描いた漫画です。35年前、中学二年生の時に描いたものです。自分が描いたのに、描いた記憶がなくて、不思議な感覚です。実際は3ページありますが、大丈夫そうな部分だけ載せてみます。
この漫画に出てくる「ハイドライドIIの製作者」って、、、。
イベントの最後には開発中の「ハイドライドII」を自由に遊ぶことができました。会場にあったパソコン(MSX2)は30台なので、もう奪い合いです。それにしても気前がいいです、T&E SOFT。
自分にとって思い出深いのはPC-6001mkII版「ハイドライド」です。ベーマガ(1985年4月号)に載った広告に狂喜して、夢中で遊びました。15色モードのアクションゲームは本当に貴重な存在です。結局、PC-6001mkII版「ハイドライドII」は出ませんでした。スペックを考えると当然ですが。