「AX-5 オリオン/クエスト」の外箱(ケース)がこんな感じに潰れてしまってます。人から頂いた時、既にこの状態でした。
AXというのはアスキーが売っていたPC-6001用ゲームのシリーズ名です。安くて書店でも買えるということで大ヒットしました。
・「AX-1 アラビアンラプソディ」(1982年)
・「AX-2 宇宙輸送船ノストロモ」(1982年)
・「AX-3 マイクロオセロ」(1982年)、「マイクロターン」(1983年)
・「AX-4 ブラックホール」(1982年)
・「AX-5 オリオン/クエスト」(1982年)
・「AX-6 パワード・ナイト」(1982年)
・「AX-7 ポリス&ギャング」(1983年)
・「AX-8 ギャラクシーミッション」(1984年)
・「AX-9 3Dフライトシミュレータ」(1984年)
・「AX-10 アウトロー」(1985年)
AX-7あたりまでは有名だと思います。AX-6はもろにガンダムです。
AX-10はレアです。1985年だと、初期の開発スタッフはもうゲームアーツに移っています。
ケースは紙製なので、まったく耐久力がありません。
表紙には留め具のようなものが無くて、めくったらそのまま開いてしまいます。
雑誌「ASCII」1982年8月号より。カラー2ページの広告で「AX-5」が初登場。このパッケージを「ハードケース」と呼んでいたようです。1983年になると、T&Eソフトの「惑星メフィウス」でケースが大型化しますが、この時点でもケースはまだ紙製でした。
こうした中で、マイコンソフトが樹脂製ケースを導入します。当時は「ビニール・レザー・ケース」と呼んでいました。樹脂製ケースは日本のパソコンソフト業界に広く浸透しました。
茶色いのはカビでしょうか? この部分は樹脂製なので洗剤を使って拭き取ります。
説明書の表紙を水ぶき。
表面が炭?で汚れてます。一体、どんな保存をしていたのやら。
木工用ボンドを塗って、厚紙を貼り合わせます。厚紙がバネのように戻ろうとするので、輪ゴムで固定します。
ケースの前面が剥がれてます。木工用ボンドを流し込んで貼り直しました。
ボンドが固まったら完成です。一応、元の形に戻すことができました。セロテープを貼った跡が茶色になっていますが、これは消せません。
気密性が足りないので、ビニール袋に入れました。中に乾燥剤とか脱酸素剤を入れておくといいかもしれません。
ソフト自体を書店で売っていただけあって、説明書が本そっくりです。奥付けまで載っています。
AX-5は2つ持っているのですが、どちらも増刷した日付しか書かれていません。初版の発売日がわからないです。ちなみに「みんながコレで燃えた!NEC8ビットパソコンPC-8001・PC-6001永久保存版(2005年)」に付いてくるpdfのマニュアルは「1982年12月10日 第1版3刷」でした。発行日=発売日ってわけじゃないので、深く追求しても意味ないかもしれません。
「パソコンゲーム80年代記(1990年)」という本の中で、80年代ソフトBEST10の中に「オリオン」が入っていました。驚くほど評価が高いです。「オリオン」はPC-6001なのに3Dでヌルヌル動くビジュアルを実現していて、音も臨場感があって、当時としては衝撃的な作品でした。この衝撃を今の方々に伝えるのは難しいです。