第1回パソコンゲーム大会と大打撃の話

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ベーマガ1990年5月号より

ベーマガの1990年5月号を読み直してたら「第1回パソコンゲーム大会」という謎のイベントに気が付きました。たぶん、イラストは赤井孝美さん

開催日は5月3日~4日の2日間で、参加費が7800円。合宿込みだと15800円!? まず寝泊りすることに驚きですが。

よく考えると、このイベントの形式って「日本SF大会」と同じですね。海外ゲストを売りにするのも同じ。価格帯・開催期間もだいたい同じ。主催がゼネラルプロダクツ(岡田斗司夫さん)なのも同じ。

1990年当時のゼネラルプロダクツはワンダーフェスティバルも運営していて、1~2年前に「トップをねらえ!」がヒットしていて、向かうところ敵なしという時期。

ゼネラルプロダクツ=ガイナックスは1989年からパソコンゲーム(エロゲー)を売り始めたが、当時は裏で怪しい仕事をやっているという印象。一般作品のプリンセスメーカーがヒットするのは翌年の1991年。

このイベント、「パソコンゲーム版のDAICONをやったるで」と意気込んで企画したのではないでしょうか。SFマニアには普通なのかもしれませんが、パソコンマニアからすると、かなり異質です。5月のイベントを4月発売の雑誌で募集するって。もしかして、参加者が集まらなかったのでは、、、。

DAICONとは大阪で開催した日本SF大会のことで、検索すれば一杯出てきます。オタク同士の共同作業が奇跡的に成功し、数々の映像作品が残っています。実写ドラマの「アオイホノオ」ではDAICON3のOPが無事に?放送されましたし、庵野ウルトラマンは今でも合法的にソフトを買うことができます。ゼネプロがなければEVAは生まれなかった、ってのは言い過ぎか。

今のガイナックスの凋落ぶり。オタク同士の共同作業がいかに難しいか。

 

一方、パソコンゲーム大会はどんな結果だったのか情報がありません。なにかの媒体に記録が残っていないでしょうか。

上の広告によると、ロバート・ウッドヘッドさん(ウイザードリィ)、ロード・ブリティッシュさんウルティマ)って、ありえないくらいの豪華ゲストですね。ジム・ブラッドレーさんが誰だかわからないのですが、知ってる人は教えてください。デビッド・W・ブラッドリーさんの間違いでしょうか。

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ベーマガ1990年3月号、337ページより

ベーマガの巻末には毎号「SOFTWARE HOUSE HOT INFORMATION」というスポンサー用のページがあるのですが、90年3月号(先の広告の2か月前)のファミリーソフトのページに岡田斗司夫さん・赤井孝美さんの名前が載っていました朝日ソノラマの「エリアルコミック」という雑誌で刑事大打撃の漫画を連載してて、ガイナックスが編集していた関係でしょうか。ファミリーソフトの社長・宮川総一郎さんは大打撃の原作者ですが、実は漫画家・小説家というもの凄い人ですね。「水谷潤」という別名義もあります。経済漫画が当たって、それを題材にしたファミコンゲームも88年に出てます。作画の藤宮幸弘さんとのコンビ作品も結構あります。ゲームだと藤宮さんが大打撃のプロデユーサーとクレジットされてる時もあって、役割分担がよくわからない

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宮川総一郎さんの漫画をゲーム化。開発はソフエル

ちなみに「エリアルコミック」はSF小説「ARIEL」の漫画版が載っているという雑誌でした。ARIELは今でいうラノベです。カセットテープになったり、OVAにもなってます。

ベーマガ90年3月号のファミリーソフトのページは「無敵刑事大打撃 史上最大の犯罪」というアドベンチャーゲームの広告なのですが、オウム真理教ネタだし、下ネタ連発だし、すごく反応に困ってしまいます。たぶん、ベーマガ史上で最も危険なページだと思います。

「(無敵)刑事大打撃」シリーズは1987年に1作目がMSX2AVGとして発売して、以後、何本か出て、2003年にWindows用で復刻して、今は同人ソフトとしてboothで販売しています。

booth.pm

2020年には大打撃のドラマCDも出ていますね。1作目から33年。この作者さんの尋常ではない熱意。

あと、「刑事大打撃」で検索して一発目に出てきた記事がこちら。

jp.ign.com
記事はデジゲー博2018で大打撃の小説を売っていたという内容です。これに出てくる「奈須蛍路」という人物。先日発売したメガドラ版「マッドストーカー」にも深く関わっているようですが、一体、誰なのだろう、、、? 

そういえば、自分もデジゲー博2018を見物していたのですが、大打撃ブースは思い切りスルーしてました。あとでカタログを見直すと、こんな感じ。

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デジゲー博2018カタログより

この「FC」はファンクラブの意味。表面上は版権を持ってないですよっていうアピールですね。

boothの商品ページを辿っていくと、デジゲー博で売ってた大打撃の小説が無料で公開されてますが、驚いたことに21世紀になっても、オウム真理教ネタなんですよ。まあ、オタク的ってことでいいのかなという気もします。

 

あと、「奈須蛍路」で検索すると、「桜木優美子の事件簿 ~桜木優美子 人生最悪の日~」という電子媒体の小説が出ます。

books.google.com

表紙で奈須蛍路水谷潤の名前が並んでいます。

そして、1ページ目の人物紹介で、もう「大打撃」のイラストが出てきます。萌えラノベは偽装か!?

どれだけ大打撃が好きなんだ、、、。これはもうライフワークですね。