今からおよそ20年前、2000年に開催された「21世紀 夢の技術展」というイベントを紹介します。もう誰も覚えてないと思いますが。会場だった東京ビッグサイトに、ソニーの「AIBO」とか、ホンダの「P3」とか、21世紀を支えるであろう華々しい技術が展示してありました。
「まあ、よくある展示会でしょ」と思うかもしれませんが、これは開催期間が17日間(2000年7月21日〜8月6日)もありました。もうちょっとした博覧会です。なぜここまで気合が入っていたのか、よくわかりません。
当時、自分は会場を取材をしたのですが、目の前に総理大臣(当時)の森喜朗さんが現れてビックリしました。これがその時の写真です。この取材の様子はベーマガ2000年10月号に載ってます。載る雑誌を間違えたような内容なので、読まなくていいです。
ちなみに、この約4か月後に「インターネット博覧会(インパク)」という政府主導のオンラインイベントが開催されます。そのポスターを飾ったのが森首相でした。「オンラインイベント」というと聞こえはいいですが、Webページが置いてあるだけで、得体の知れない企画でした。インパクの記者発表会で、なぜか有田焼のマウスパッドをもらって、それはベーマガの読者プレゼントになりました。
これはJR東海が展示していた「山梨リニア」の実験車両の模型です。最高時速550kmというスペックが21世紀らしい。
高度経済成長の象徴が「新幹線」でしたが、その21世紀版という感じでしょうか。リニア中央新幹線は品川~名古屋間が2027年開業を予定していますが、今現在の報道を見る限りはさらに延期しそうです。
ネットワーク電子レンジも展示されてました。今でいうところの「IoT」でしょうか。
ネットワーク家電が巨大な市場に成長すると期待されてましたが、結局、そうなりませんでした。まあ、冷静に考えたら、電子レンジはネットにつなぐ必要ないです。
あと、BSデジタルのブースも大きかったです。デジタル放送が凄い、とNHKが頑張ってました。
今はスマホやゲーム機でYoutubeを見る時代になりました。
今にして思うと、会場の中で最も21世紀らしい展示物は、この「スマートフォン」だったかもしれません。これは、見た目が全然スマートフォンじゃないですが、展示してたプレートにしっかり「スマートフォン」と書かれてました。iPhone登場の約6年半前です。当時はスマートフォンのポテンシャルに誰も気が付いてませんでした。
あと、この端末は「Javaでソニックのゲームが動いてる」という点をアピールしていたので、今のスマートフォンとは狙いどころがズレてるように感じます。これでゲームボーイと競っても勝てるとは思えないですよね。なぜか、業界全体がJavaに熱中していたのですが、あれは一体なんだったのか。
ドコモはiモードが大ヒットして、2001年にiアプリ開始。FOMAも開始しますが、高速通信の使い道が「テレビ電話」とか「iモーション」とか、少しずつ市場と乖離していって、最後はガラパゴス(ガラケー)と呼ばれてしまいます。独自規格で成功して、逆に痛い目を見るあたりはソニーショックに通じるように思えます。
こうした先人の挑戦があったおかげかもしれませんが、iPhoneがどれだけ革新的だったかがわかります。