WonderWitch用の純正の通信ケーブル(スワンケーブル)が使えなくなってしまったため、ケーブルを自作してみました。
このケーブルを使うと、WonderWitchで作ったプログラムをPCからワンダースワンに転送することができます。
純正の通信ケーブルは接続に「シリアルポート(RS-232)」を採用していました。RS-232は発売当時(2000年)の時点で「ちょっとレガシー」だったと思うのですが、2021年だともう「完全にレガシー」です。
つい最近までは、こうしたUSBのシリアルポート変換アダプタを使っていたのですが、残念ながら、この製品はもうWindows10には対応していません。レガシーデバイス向けの周辺機器すらレガシー化しています。
こうして通信ケーブルを作る必要が出てきたわけです。
回路図です。動作無保証です。
ワンダースワンは3.3Vで動作します。そこで、USBの5Vをダイオードで3Vくらいに落として、ロジックICを動かしています。
USBシリアルの変換モジュールは秋月のFT232RQを使いました。価格は980円。FT232RQは信号の電圧を3V/5Vの二種類から選択可能です。この回路では、5Vで送信してしまった場合を想定して、(R1)抵抗を付けてます。3.3Vで送信した場合は、抵抗は不要です。
ワンダースワンの通信仕様はUARTとほぼ同じなのですが、信号の論理が逆になっています。受信&送信ともに無通信状態はLowです(UARTは逆にHigh)。そのため、論理を反転させるために、NANDのロジックIC「74HC00」を使います。秋月で30円で売ってます。
ワンダースワン用の通信コネクタです。
自分の場合は対戦用の通信ケーブルをニッパで分解しました。今だと、入手が難しいかもしれません。
コネクタのピンアサインです。
カードエッジになっていて、裏表で4ピン+4ピン=8ピンあります。基板の裏側を使います。
動作中はこんな感じです。
WonderWitch側は「通信」モードを選択します。
通信ケーブルをPCのUSBポートに接続すると、COMポートとして認識されます。デバイスマネージャでCOMポート番号を確認しておきます。
TransMagicを起動して、「シリアルポート設定」を行います。デフォルトのボーレートは38400bpsです。あとはファイルを転送するだけです。
純正の通信ケーブルはICの電源をワンダースワンから供給していたので、通信を行うたびにバッテリ残量が激減するという欠点がありました。
一方、自作した通信ケーブルはPCから給電するので、安心して通信することができます。
2001年のコンテストでグランプリを受賞したバージョンの「ジャッジメントシルバーソード」。単体のカートリッジとして商品化されたのが2004年です。本作はワンダースワンの最高傑作だと思いますが、ファミ通2004年2月20日号のクロスレビューは7777。
2002年のコンテストでグランプリを受賞したバージョンの「DicingKnight」。今でもコンテストページから入手可能です。配布しているファイルだけだと、実行して即、異常終了してしまいます。「sound102.il(サウンドドライバ)」「bmpsaver.il(キャプチャライブラリ)」もカートリッジに転送してから実行しましょう。
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