日本リスペクトゲーム特集

反応するのが遅れましたが、「Wireframe」50号を読んだら、日本のゲーム特集が載ってました。

PDF版は無料で読めます。寄付のリクエストに「No thank you」するのが気が引けますが。

wireframe.raspberrypi.org

この雑誌で、「影響を与えた日本のゲーム20(実際は30作品)」というのが出てくるのですが、文句の付けようのない手堅いラインナップ。

表紙を飾るのは「Cris Tales」。これはコロンビアの会社さんのゲームです。南米のコロンビアです。念のため。

日本の特集というより、日本リスペクトの特集でしょうか。

「Cris Tales」の公式サイト(https://modusgames.com/cris-tales/)を見ると、「クロノトリガー」「ファイナルファンタジーVI」「ヴァルキリープロファイル」「ブレイブリーデフォルト」「ペルソナ5」に触発されたと直球で書かれています。コロンビアでも日本のゲームが浸透しているのか。

クロノトリガー」などは日本人からすると普通に受け入れますが、海外の視点からすると漫画・アニメがそのままゲームになったような強烈なインパクトがあるんじゃないかと思います。想像ですが。

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Eternal Champions(SEGA Genesis Classicsより)

その昔、海外ゲームの日本描写は、ズレてるのが当たり前でした。「カラテカ1984年)」「モータル・コンバット(1992年)」しかり。

参考までに上の写真は「Eternal Champions(1993年)」。Ninja AssasinのShadow Yamotoさんが殴り合いの前に土下座します。こういうステレオタイプは「スト2」が先にやったことなので、えらそうなこと言えません。

あと、「ウィザードリィ(1981年)」にもNINJAがいますが、元ネタはD&Dでしょうか。

 

日本ネタといえば、SAMURAI、NINJA、YAKUZAしかなかったのですが、そこに漫画・アニメ文化(メカとか美少女とか)が投入されたのが、一つのブレイクスルーだと思います。どのタイミングでそうなったのか? 誰かまとめて頂きたいです。

パッと思い付くのは「Shantae(2002年)」。世界観は日本じゃないのですが、動きや見た目が日本のアニメ的でした。続編は一杯出てますが、初代だけ入手が難しい。Switch版は海外のみの配信です。

あと、2001年にはBungieが「Oni」というゲームを出してます。真面目に作ってますが、攻殻機動隊のパチもん感はありました。

理由は様々ですが、感覚的なズレは徐々に縮まり、今は日本っぽいゲームは地位を確立してます。思い付くだけで「VA-11 Hall-A」「Muse Dash」「NARITA BOY」「Panzer Paladin」「The friends of Ringo Ishikawa」「River City Girls」など。こういうジャンルを表す名称ってあるのでしょうか。

最終的には「ゴースト・オブ・ツシマ」のような日本製より日本らしい作品が出るに至りました。もはや国境はなくなった、というのは言い過ぎか。

システム面での日本らしさというのもあります。海外のシューティングゲームは3Dの主観視点ばかり。2Dシューティングゲームといえば日本製。抽象よりもリアルが好きとか、強制スクロールが嫌いとか、海外のなんらかの思想が原因だと思うんですが、うまく言語化されてない領域です。

 

天然で勘違いな日本描写、勘違いしてない日本描写、ときたら、あと残ってるのは狙って勘違いしてる日本描写でしょうか。「コマンド&コンカー レッドアラート3」がまさにそんな感じ。「Nippon Marathon」は天然だと思うんですが、どうなんでしょう。

 

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HARAKIRI(ベーマガ1989年12月号より)

「HARAKIRI」をゲームアーツが作って30年以上経ちますが、いまだ類似作品が出ていません。HARAKIRIはベーマガ情報だと1989年12月発売ですが、プロジェクトEGGだと1990年発売ですね。どちらが正しいのでしょうか。