ベーマガのバックナンバー(創刊40周年)

パソコン雑誌「マイコンBASIC Magazine」、、、通称「ベーマガ」。

念のために言っておくと、楽器の雑誌や野球の雑誌とは別モノです。

 

(月刊「マイコン」1982年7月号の広告より)

ベーマガ1982年6月10日に創刊してから今日で40周年。「ラジオの製作」の付録時代からだと41周年。休刊してから19周年です。

 

パソ通もインターネットも無い時代、パソコンにとって最良のメディアは「雑誌」でした。

自分が初めて買ったベーマガ1984年から。たとえば、1984年1月号だと「ゼビウス」のマップが載っていて、さらに70本くらいのプログラムが載っていて、価格が350円でした。これはもう、問答無用で買いますよね?

誌面の半分を読者投稿が占めていたこと、ライターさんが趣味的・献身的に働いたことで、コストパフォーマンスの高い雑誌を作り上げていました。

このベーマガベーマガたらしめている何かを「ベーマガ・イズム」と勝手に呼んでいます。この話は別の機会にしたいです。

 

突然ですが、今、ベーマガのバックナンバーを読む方法について考えてみたいと思います。

今から10年くらい前までは、ベーマガを読むには国会図書館に行くか、オークションで買うしかありませんでした。古い雑誌は、ブックオフやもったいない本舗は買い取らないので、流通しません。

しかし、2015年、秋葉原に「BEEP」がオープンして、中古のベーマガが手軽に買えるようになりました。お金を出すだけでベーマガのバックナンバーが手に入る。これは画期的なことでした。

上の写真は「BEEPの夜店」で目撃したベーマガ1982年7月号・創刊号です(2022年3月当時)。なかなか良いお値段ですが、あっという間に売れてしまいました。

 

そのほか、BEEPの夜店で売っていたベーマガ1982年・6冊セット(2022年4月当時)。ここまでキレイに保管されていることに驚かされます。元の持ち主は、よほどマメな人ですね。

これも、あっという間に売れてしまいました。

 

時期は不明ですが、かなり前から駿河屋でも中古のベーマガが買えるようになりました。

上の写真は今から5年前駿河屋のWebページです(2017年5月当時)。2022年現在と比べると、ちょっと価格が高い感じがします。

 

スクリーンショットを何枚か保管してあったので、2017年当時の価格を50件ほど表計算ソフトに入力しました。さらに、2022年6月現在の駿河屋での価格を200件ほど入力しました。

当然ながら、商品のコンディションや店員さんの性格によって値段のブレが生じます。複数の場合は金額を平均化しています。付録単体の商品は除外しています。

 

入力結果を散布図でグラフ化してみました。

X軸が「雑誌の号数」、Y軸が「価格」です。グラフの赤色は2022年6月現在の価格、水色は2017年当時の価格です。ラ製の付録は高額すぎて、グラフからはみ出ました。

2つグラフを重ねた結果、1986年以前のベーマガは5年経っても、あまり価値が揺らいでないことがわかります。

ですが、1987年以降は半分以下に値下がりしています。これは、価値が下がったのか、適正価格になっただけか? 時間が経って値上がりするのかと思ったら、実際は逆なのが、気になります。まあ、安く買えるようになったのは、結構なことだと思います。

あと、気になるのは、1993年あたりになって、ベーマガの価格が急に下がる傾向にあることです。金額は違いますが、現象としては5年前も現在も同じです。この現象を「アタリ・ショック」や「ソニー・ショック」にならって、「ベーマガ・ショック」と呼びたいです。

1992年というと、バブル崩壊。そして、Macintoshが低価格化した年。1993年はDOS/Vが本格化した年。1994年はプレステ発売。いろいろあって、ホビーパソコン市場が終わり始めた時期だと思うので、「ホビーパソコンショック」と言うのが正しいかもしれません。このへんは、詳しい人の意見を聞きたいところです。

ベーマガショックは1995年と1999年と2001年にも起こっている可能性がありますが、このグラフからは感じ取ることはできませんでした。もっとサンプルが必要です。

 

ベーマガのバックナンバーを最も簡単に読む方法。それはarchive.orgを見ることです。archive.orgにはベーマガのスキャン画像が9年ぶんくらいアップロードされています。しかもタダで読めてしまいます。先のベーマガ・ショックを裏付けるかのように、1994年でスキャンが終わっていますが、1995年以降も面白い記事は一杯あります。

しかし、これって、法的な見解ってどうなっているのでしょう? 一応、「ネットの図書館」ってことになっていますが、著作権的に思いっきりアウトな気がします。

「バックアップ活用テクニック」みたく公式がKindleで配信してくれたら嬉しいのですが。