プロジェクトEGGで無料で配信している「ファンタジアン(PC-8801版)」を遊んでみました(遊ぶには会費が必要)。1985年発売のクリスタルソフトのRPGです。2021年発売のスクエニのRPGとは別物です。元クリスタルソフトの方々がスクウェアのゲームを何本か手掛けているので、何か関係があるのか?と思ってしまいました。
迷宮の奥深くに居る魔王Billades(ビルアデス)を倒して、Elven Seedの力を解き放つのがゲームの目的です。説明書にある「ルイザード地方」「ガイヤール城」というフレーズは「夢幻の心臓III」でも使われていました。
ウィザードリィ風の移動画面です。オンメモリでスピーディに動きます。テンキーだけで遊べます。
パーティは最大5人。
ウルティマ風の戦闘画面。半リアルタイムになっていて、全キャラの行動を短時間に指示しないといけません。飛び道具の場合は「5」キー、魔法の場合は「+」キー、アイテム使用は「SHIFT」+「=」キーです。キーボードの操作がとにかく忙しい。何も触れずに戦闘が終わってしまう「夢幻の心臓III」とは対照的です。
あっという間に死んでしまいました。「“夢幻の心臓”の100倍難しい(ログイン1985年3月号より)」と豪語するだけあって、本当に難しいです。
体力とお金が全く足りません。これ、序盤で投げ出す人も多いのでは?
試行錯誤した結果、、、
・Thiefは宝箱の解錠のために絶対1人必要。
・Monkは体力回復と解毒のために絶対1人必要。
・IllusionistはすぐにM.P.切れを起こすので、使わない。
・残り3人をBattlerにする。敵と接触しないで戦えるように、Slingなどを持たせる。
、、、以上のパーティで落ち着きました。Illusionistを入れないと、強敵に対抗できないのですが、現時点では長続きすることを優先させます。
経験値が貯まった状態で寺院で治療すると、レベルアップします。パラメータの上昇値はランダムです。運が悪いとパラメータの値が下がるという無茶苦茶な仕様です。事前にステートセーブしておいて、気に入らない場合は巻き戻すのがおすすめです。
あと、魔法を覚えましょう。説明書の内容を要約してみました。
《Monk/Clergyの魔法》
・Aras:味方全員、防御力を増やす1
・Crit:敵全部を鈍らせる1
・Erum:味方1人、傷を治す1
・Fatt:現在位置を知る
・Halm:罠を外す
・Ipit:味方1人、傷を治す2
・Kemy:解毒
・Lars:味方1人、傷を治す3
・Mial:味方全員、防御力を増やす2
・Neiz:敵全部を鈍らせる2
・Orpa:味方1人、復活1(成功率低い)
・Rusk:味方1人、傷を治す4
・Shax:敵全部に攻撃
・Tain:味方全員、防御力を増やす3
・Ulma:味方1人、傷を治す5
・Wats:味方1人、復活2
《Illusionist/Magicianの魔法》
・Bals:敵単体を攻撃1
・Badl:敵全部を攻撃1
・Daru:敵の防御力を封じる
・Zarm:敵単体を攻撃2
・Esty:現在位置を知る
・Girm:敵全部を攻撃2
・Juxi:味方全員、敵から身を守る
・Vand:敵全部を攻撃3
・Jada:敵単体を攻撃3
・Galt:敵全部を攻撃4
・Bist:時間停止。敵の動きを止める
・Quis:敵単体を攻撃4
・Jess:敵全部を攻撃5
・Vidl:味方1人、体力回復
・Zeta:敵全部を攻撃6
・Zami:敵単体を攻撃5
山下章さんの「チャレンジ!! パソコンRPG&AVG(1986年)」。これがないと、どうにもなりません。マップなど貴重な情報が載っています。初版だとマップにいくつか誤植があるようです。自分が持っているのは中古品で、前の持ち主が鉛筆でマップを修正してありました。
地下1階で「Tablet」という鍵に相当するアイテムを入手。Tabletは全3種類。
プレイヤーがレベル5に到達。
これで地下4階に挑めるかなと思ったら、全く歯が立ちませんでした。
地下3階で「Crest of Gold」を入手。これで「酸の湖」を渡れるようになります。
地下4階で「酸の湖」を移動中。
地下4階。「Dragon's Scale」を入手。これで溶岩に対応できるようなことが表示されていますが、ミスリードです。実際には「Glacial Crystal」が必要です。
地下3階。一人称が「ワレ」という謎の存在から「Glacial Crystal」を入手。理屈がわかりませんが、ここで「Dragon's Scale」が消滅します。表示が「Giacial 」になってますが、おそらくミスです。
プレイヤーがレベル9に達しました。
十分強くなったつもりだったのですが、地下5階でボコボコにやられてしまいました。どうやら、クラスチェンジしないと厳しいようです。クラスチェンジをすると、育て直しになりますが、キャラを数段強くすることができます。
レアな防具「Winged Helm」を入手。Fighter専用なので現時点では使えませんが、将来に備えて残しておきます。こういう説明書に載っていないレアアイテムがゲームの神秘性を高めています。
クラスチェンジに必要なアイテムは全部で4種類あります。
・「Helm of Aslan」:Battler→Fighterへのクラスチェンジ。
・「Crystal Idol」:Thief→Robberへのクラスチェンジ。
・「Staff of Sage」:Monk→Clergyへのクラスチェンジ。
・「Ring of Gald」:Illusionist→Magicianへのクラスチェンジ。
これらは敵を倒した時にランダムで出現します。深い階層ほどレアアイテムが出るような気がしますが、地下2階で「Helm of Aslan」が出たこともあります。
プレイヤーがレベルMAX(10)に到達。
寺院でBattler→Fighterにクラスチェンジしました。
クラスチェンジの結果、レベルが1に戻って、パラメータの数値が6~8に激減してしまいました。これは一時的なもので、レベルを上げると巻き返すことができます。
衝撃の事実が判明。人間の女性はMonk→Clergyへクラスチェンジできませんでした。
しかたないので、このキャラはパーティから離脱。新しいキャラを育て直すことにしました。
ようやく2人目のBattler→Fighterのクラスチェンジに成功。
3人目のBattlerもレベルMAXに達しているのですが、「Helm of Aslan」が足りずクラスチェンジできないという状態。このまま経験値を捨ててしまうのがもったいないので、3人目のBattlerをパーティから離脱させて、新たにIllusionistを加えました。結果的にこの判断が良かったです。
地下5階。溶岩の中を移動中。「Glacial Crystal」が必要です。
レアアイテムの「Stone Idol」を使うと、一撃で敵を倒すことができます。これで強引に進みます。運が悪いと「Stone Idol」が消滅してしまいます。
地下5階の「不思議な泉」。運が良いと体力を回復できますが、運が悪いと毒を飲んでしまいます。ここはステートセーブでズルをしました。
ラスボスまでの途中、強制的なエンカウントが数カ所あります。強制エンカウントの敵には「Stone Idol」が通用しません。そこで、Illusionistの魔法Bistで時間を止めて倒します。Bistが便利すぎです。もっと早く使えば良かった。
ラスボス「Billades」と戦う一歩手前の状態。事前に10個目のアイテムを空けておきましょう。
ラスボスはドラゴンを4体引き連れていて、過去最高の強さ。まず、攻撃が当たらないので、Neizの魔法を使います。ラスボスを倒すと、あるアイテムが手に入ります。
ラスボスの近くにあるElven Seed。ここであるアイテムを使うと、エンディングのメッセージが表示されます。その後、キーを押すと、スタート地点に戻って、そのままプレイを継続することができます。結局、Elven Seedが何だったのかはよくわかりません。
、、、というわけで無事にクリアできました。
この「ファンタジアン」、問答無用の名作ですね。ゲームシステムが完成されています。特に戦略性の高さには感心しました。一瞬の判断で勝ったり負けたりするという緊張感が素晴らしい。長々とした会話がないのも自分好みです。
結構長く遊んだつもりだったのですが、チャレアベに載っていた「Golden Gloves」や「Mum Blade」は入手できませんでした。本当にやり込み前提のゲームだなと感じます。後半に行くほどレベル上げがしんどくなって、忍耐力が試されます。自分の場合はかなりステートセーブに頼ってしまいました。
雑誌「アイ・オー 1985年2月号」より。「リザード」や「夢幻の心臓」と比べて「ファンタジアン」は上級者向けであるとアピールしています。「1月下旬発売」と書かれています。