日経ソフトウエア2021年1月号

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日経ソフトウエア2021年1月号

 

2020年11月24日発売の「日経ソフトウエア2021年1月号」で「ファミコンで動くゲームを作ろう」という特集記事を書かせて頂きました。

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掲載プログラム(ファミコン用)

今回が第2回目です。ファミコンのライブラリが完成して、十字ボタンの入力ができたというところで終わっています。

次回、第3回目では実際にゲームを作ります。

 

PCエンジンのプログラミング(その1)開発環境の導入

突然ですが、PCエンジン用のプログラムを自作してみたいと思います。関連する知識が全くない状態からのスタートです。

まず最初にCC65が開発に使えるのでは、と思っていたのですが、CC65のドキュメントを読んでも使い方が良くわかりません、、、。付属のドキュメントには「Some useful resources on PCE coding:」というリンクを貼られていたのですが、その中の一つがこちら。

www.zeograd.com

「HuC」というPCエンジン用のCコンパイラがありました。これを使ってみます。CC65とは無関係ですね。開発は2005年で終わっています。バージョンが一杯ありますが、「huc-3.21-win.zip」をダウンロードしてみました。windows版ですが、DOS版との違いがわかりません。

 

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HuCを展開する

ZIPファイルを展開して、「huc-3.21-win」フォルダをCドライブの最上位ディレクトリに置いてみました。これでインストールは完了です。

binフォルダ内のEXEファイルは実行しようとすると「WindowsによってPCが保護されました」と出てしまうので、事前に解除しないといけません。

どうプログラムしたらいいのか、よくわからないので、docフォルダのドキュメントを読むと、「PONGが参考になる」という感じの一文を発見。そこで検索すると、次のページがヒットしました。

www.magicengine.com

こっちのHuC(huc_dos_142.zip)はタイムスタンプが2000年で、バージョンが5年ほど古いです。DEMOSフォルダにサンプルプログラムとして「PONG」と「SCROLL」が付属しています。これらのソースだけ頂くことにします。ソースの中に拡張子が「PCX」というファイルありますが、これはBG&スプライト用の画像ファイルです。

 

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ビルド用バッチファイル

ビルド用のバッチファイルを作ります。「PCE_INCLUDE」はHuCに指定するヘッダファイルのパスです。

「SRCFILE」はコンパイルしたいソースのファイル名。出力するROMイメージのファイル名と兼用です。

「huc」はCコンパイラ。「pceas」はアセンブラです。hucはCをアセンブラに変換するだけなので、pceasを使ってアセンブルを行います。

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バッチファイル

、、、と思ったのですが、hucからpceasを呼び出すのが正しかったようなので、上記のように修正しました。pceasを実行する記述を無くして、binまでのパスを設定しています。この場合、pceasの実行中にpauseのメッセージが表示されてしまうので、nulでメッセージを消しています。もしエラーが出ないならpauseは不要です。

バッチファイルを実行すると、PONGをリビルドします。そのままだとファイルが見つからないというエラーが出るので、ソースをちょっと直します。

#include "../huc.h"

#include "huc.h"

こんな感じです。

あと、PCXファイルが見つからないというエラーが2件出るので、ファイル名を直します。

「RACKETLE.PCX」→「RACKETLEFT.PCX

「RACKETRI.PCX」→「RACKETRIGHT.PCX

こんな感じです。逆にソースのファイル名を直してもいいです。

うまくビルドできたら、ROMイメージの「PONG.PCE」が生成されます。

 

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サンプルのPONGをリビルド

PONG.PCEをPCエンジンエミュレータで実行した様子。

なぜかスコア表示がおかしくなってしまいました。原因は不明です。そのうち直したいと思います。

 

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サンプルのscrollをリビルド

先ほどのバッチファイルを修正して、「SCROLL」もリビルドして、実行してみました。こっちは問題なく動きました。

現時点ではエミュレータで動かしていますが、そのうちPCエンジンの実機でも動かしてみたいです。

 

(追記2020/11/29)

PONGのスコア表示がおかしくなる問題ですが、「load_sprites」を使わないで「load_vram」に変更すると直りました。

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load_vramに変更する

こんな感じに修正します。

load_vramの書式は(VRAMアドレス ,int型配列変数 ,転送ワード数)です。

#incsprの変換後のソースを見ると、画像データの合間になぜか「dw.0」が追加されていて、これがデータの頭出しの誤差を作ってしまってました。load_spritesを使うと誤差を含んだままVRAMに転送してしまうのですが、load_vramなら誤差を取り除いて転送することができます。

あと、#incspr関連の記述はソースの最後に配置されていますが、これだとコンパイル時に変数の未定義エラーが出てしまいます。いままでエラーが出なかったのが不思議ですが、、、。#incspr関連はmain関数より上に配置しましょう。

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スコアが正しく表示されるようになりました

正常にスコアが表示している様子です。

 

続き

nicotakuya.hatenablog.com

PCエンジン用のカードを自作する(設計編)

前回の続きです。

nicotakuya.hatenablog.com

ここから歩いていける距離に駿河屋があるので、ちょっと覗いてみたのですが、PCエンジン系のソフトは高いですね。ボンバーマンが600円というのが最低価格でした。ブックオフは950円均一でしたが、数が少ないです。市販のPCエンジンのゲームはPS3WiiUアーカイブで遊ぶのが正解な気がします。

今度はPCエンジンのカードを自作してみたいと思います。

 

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1.27mmピッチ?

目コピーで基板を作ります。さすがに肉眼で見るには辛いサイズなので、スキャナを使ってみました。上の写真はスキャナの画像です。

ピンの端から端までの距離は47mmくらい。全38ピンなので、37で割ると、、、

47/37 = 1.27027027027027。

たぶん、1.27mmピッチだと思います。間違ってたらすみません。

 

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とりあえず結線してみる

CADに入力中の様子。

カード自体のサイズは54×85mmとしました。厚さは2.5mmくらいですね。1.5mmで作ってから、1mmのプラ板を足したらいいのかなと思っています。

 

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結線を修正。まだ未完成

結線を調節中。まだ未完成です。

フラッシュメモリの容量は4Mビットです。「R-TYPE」の容量の2倍ですが、少ないかもしれません。開発環境はHuCというのを使ったらC言語で作れるみたいです。

資料不足です。ピン配置が間違っている可能性があるので、もう少し調べないといけません。

CD(Card Detect)はカード検出用の端子ですね。GNDに接続するのではないかと予想しています。これから直します。

HSM(High Speed Mode)は処理速度を伝える端子ですが、信号の向きはどっちでしょうか。検索した感じだと、論理はHigh=ハイスピードらしいです。

CS(Chip Select)に相当する端子が無かったので、A19をCEに接続してみました。

D0~7は海外仕様とでビットの並びが逆だそうです。これは書き込み時に反転すれば、対応できるということですね。

あと、書き込み装置も作らないといけないのですが、コネクタの入手が難しいです。

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さらに修正

 

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D7-D0の並びを反転

(11/19追記)D7~D0の並びが逆だったような気がするので、反転してみました。エッジ経由で書き込んだらデータに変換はないので、反転する意味はないのですが、気分の問題です。

PCエンジンをテレビに映す

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中古のPCエンジン

PCエンジンを中古で買ってみました。

PCエンジンは今まで縁がなかったので、大竹まことさんの番組を観てたあたりで知識が止まってました。どれを買ったらいいのかよくわからなかったのですが、検索したら、

初代(本体が白い)はRF出力でテレビに映す」

AVブースターという周辺機器を付けたらビデオ出力できる」

コアグラフィックス(本体が黒っぽい)はビデオ出力できる」

という情報は得ることができました。

検索の途中、拡張端子のピンアサインを載せてる方を見かけたので、もしかしてどうにかなるのでは? と思ったので、白いPCエンジンを買ってみました。

初めて本体に触りました。小さい。かっこいい。あと、どういうわけか裏面のシリアルナンバーが削り取られてました。

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コンポジットビデオ信号を取り出す

ゲームロボット/ゼムネス PCエンジン用RGBブースター

上記のサイトを参考にして、拡張端子の最下段の右から2番目からコンポジットビデオ信号を取り出して、テレビのビデオ入力(RCA端子)に接続しました。右から3番目はGNDです。ジャンパーワイヤーを挿し込んでます。

自分の場合は3.5mmステレオミニプラグ→RCA端子のケーブルを使ってテレビに接続していますので、秋月の「ステレオミニジャックDIP化キット」を使っています。

あと、ACアダプタは秋月の9Vのもの(700円)をプラス/マイナスを反転させて使っています。PCエンジンメガドライブファミコンスーパーファミコンと同じくセンターマイナスです(秋月のACアダプタはセンタープラスなので注意)。これらのゲーム機は電圧が大体同じです。Amazonを見ると、PCエンジン用のACアダプタが2400円くらいで売ってますが、高すぎな気がします。

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テレビに映すことができました

結果、問題なく動きました。AVブースターを買わなくても、ビデオ入力でテレビに映すことができます。

写真は「モトローダー2」を立ち上げた画面です。自分はコントローラを持っていないので、ここから先に進めません。どうにかしてコントローラを入手しなくては。

(追記2020/12/10)

映像だけでなくサウンド出力もできるようにしました。

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RCA端子を取り付けました

 こんな感じです。RCAコネクタを付けました。

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PCエンジンのAV出力

拡張コネクタを正面から見た様子です。音の信号は直流をカットするために、電解コンデンサを通しています。 音量が小さいので、本来だと増幅したほうがいいみたいです。

 

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改良版

(2021年6月30日追記)

コネクタの強度に問題があったので、基板取り付けタイプのコネクタに変更してみました。

 

nicotakuya.hatenablog.com

ゲームボーイ用のカートリッジ基板の自作(組み立て編)


DIY GB CARTRIDGE(GAMEBOY用カートリッジの自作)

趣味でゲームボーイ用カートリッジ基板を作る試みです。とりあえず基板のCADデータを公開してみました。

sites.google.com

前回はDIPフラッシュメモリを普通に取り付ける基板を考えてみましたが、それだと基板に厚みがありすぎてガワに入りません。そこで次のように工夫してみました。

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ゲームボーイ用のカートリッジの基板

 カートリッジは2種類考えてみました。一つはPLCCを基板に直接ハンダ付けするというタイプ。もう一つはDIPの足を90度曲げて、四角い穴に入れてハンダ付けするタイプです。この四角く基板をくり抜くというのは独自のアイデアです。

 

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PLCCをハンダ付け

PLCCの方はハンダ付けがもの凄く難しいです。やってみて気が付きました。端子が奥に丸まっているのでパッドにハンダが流れてくれません。ブリッジしまくりです。これは作らないで、棚上げにします。

 

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ゲームボーイフラッシュメモリライター

フラッシュメモリライターの基板です。ゲームボーイ用のエッジコネクタは面実装なのですが、ここのハンダ付けが細かすぎて一番難しかったです。3回くらいハンダ不良でやり直しました。

 

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ROMイメージを書き込み中

ライターで書き込み中の様子。32KB(バンク切り替えなし)のみ対応しています。

ファミコンの時はNESファイルの先頭16バイトを削ってロムに書き込みましたが、ゲームボーイの場合はGBファイルをそのまま書き込みます。

 

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設計ミスにジャンパ線で対応

書き込んだロムをゲームボーイに挿し込んだら残念ながら動きませんでした。

エッジのCS端子-フラッシュのCE端子

に接続するのを止めて、

エッジのA15端子-フラッシュのCE端子

に接続したらうまく動きました。基板の設計ミスです。CS信号はロムのアクセス時だけLowになるのかと思っていたのですが、どうやら勘違いだったみたいです。

そこで、パターンカットとジャンパ線で対応しました。

 

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ゲームボーイで実行

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スーパーゲームボーイで実行

 動作中の様子です。ゲームボーイの液晶が見づらいです。これは電圧が低いせいなのか、偏光フィルターが劣化してるのか、、、。

300円で買ったスーパーゲームボーイは綺麗にテレビに映せるので便利ですね。

 

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PLCCのハンダ付けに成功

(11/19 追記)なんとか、PLCCのハンダ付けができました。ブリッジ上等でハンダを持ってから取り除くのを繰り返して、どうにかハンダ付けしています。性能はDIP版と同じです。

 

nicotakuya.hatenablog.com