3Dプリンタでスーファミ用カートリッジのシェルを作る

スーパーファミコン用カートリッジのシェル(ガワ)を自作するという試み。最終的には3Dプリンタを使いましたが、そこに至るまでの途中の作品も紹介したいと思います。

 

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厚紙で作ったシェル

まず、最初に作ったのが、紙製のシェルです。これは、強度が足りないので、失敗でした。

 

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ポリプロピレン製のシェル

次に作ったのが、こちら。

ポリプロピレン製の超薄型CDケース(2個セットで136円)を買ってきて、ハサミで切って、ホットボンドで貼り合わせました。CDケースは12センチくらいなので、スーファミのカートリッジに似せやすいです。

強度は申し分ないのですが、見た目が良くないのが難点です。

 

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AliExpressで買ったシェル

パチモンを買って済ませるという方法もあります。これはAliExpressで売っていた「16bit Game Cartridge Replacement Plastic card Shell for Nintendo For SNES game Console (US JP EU Version )」というシェルです。価格は送料抜きで400円くらい。

この手の製品はオリジナルに似すぎていて、何らかの権利を侵害している可能性があります。

もっとオリジナルに似てないものが望まれます。

 

というわけで、3Dプリンタで作ることにしました。Blenderモデリングしています。

ファミコンと違ってスーファミは形状が複雑です。一号機は凡ミスでスロットに入りませんでした。

 

二号機はスロットに入りましたが、今度はイジェクトできません。シェルの底がきちんと埋まってないと、イジェクトできないようです。

 

このツメで基板を固定します。思ったよりも高い精度が要求されます。

自分の基板だと入るのですが、市販品の基板だと入らないという問題に気が付いて、対応に手間取りました。

 

三号機。

試行錯誤して、ようやく使い物になるのが出来ました。実験用なので、大きな窓が空いてます。ねじ穴は入手しやすいM3にしました。

権利的に問題ないようでしたら、STLファイルを公開したいです。

 

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3DプリンタでX68000風のラズパイケースを作る

X68000風のラズパイケースを3Dプリンタで作ってみました(まだ未完成ですが)。

以下に作り方を紹介します。

 

まず、実物の寸法を測ります。

 

図面を描きます。ところどころアバウトです。

以前、ヘルメッツ製のX68Kラズパイケースを買いましたが、ラズパイを縦に入れる方式なのがどうにも気に入らないです。そこで、今回のはラズパイを横に入れたいと思います。ラズパイの全長が8.5cmなので、奥行が9cmあれば大丈夫だろうと考えました。高さは12cmになる予定です。

 

Blenderモデリングします。

円柱と立方体をブーリアンで合体させて、Rを表現しました。

 

45度単位で回転させた円柱と合体させて、取っ手を表現しました。たぶん曲げ機能があると思うのですが、まだBlenderの使い方をよくわかっていません。

 

45度に回転させた立方体を並べて、排気口を表現してみました。

 

中身をくり抜きます。思ったより空間的な余裕がありません。

パーツをばらして、並べて、STLファイルで保存。

 

Ultimaker CuraでGcodeファイルを作成。ベッドの広さに限界があるので、出力を二回に分けます。

出力に8時間50分かかるというメッセージが。

 

3Dプリンタで出力。完了まで8時間50分のはずが、11時間かかりました。

 

パーツが反ってしまいました。シマシマが目立つし、いつもよりクオリティが低い。何が悪いのでしょうか。

あと、サポートをONにしたせいで、穴が埋まってしまいました。カッターで削ります。どうでもいい部分にサポートが付着してますけど、これは設定がおかしいのでしょうか。

 

Gcodeファイル作成時に、予期せぬトラブルが発生。サーフェスが無い、または無関係であるというエラーのようです。ブーリアンの演算を繰り返すと、余分な頂点が発生してしまうようです。編集モードで余分な頂点を手作業で取り除いて対応しました。

 

第二陣のパーツを出力。完了まで5時間かかりました。

今度はAdhesion設定をONにしてみましたが、めくれ上がってしまって、結局、パーツが反ってしまいました。お手上げです。

 

というわけで、技術的な問題が残っていて、まだ完成には至ってません。サポートなしで出力できるように、もっとパーツを分割したほうがいいと思います。反ってしまうのは大問題ですね。

フィラメントは黒かグレーを使ったほうがいいですね。

 

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3DプリンタでMSX用カートリッジのシェルを作る

MSX用カートリッジのシェル(ガワ)を3Dプリンタで作ってみました。AliExpressで探しても売っていないので、もう自作するしかありません。

私自身、数日前に3Dプリンタを触ったばかりで完全に初心者です。まずは、ググって調べるところから始めました。

 

モデリングには「Blender」を使ってみました。Blenderモデリングだけではなくて、動画作成にも対応しています。日本語にも対応しています。こんな凄いソフトがタダで使えるってことに驚きです。

カートリッジの寸法は実物をノギスで測って割り出しました。最初、寸法の入力方法がわからなくて、手間取りましたが、「N」キーを押せばいいだけでした。

 

ねじやナットは「Bolt Factory」っていうアドオンで作ります。なぜか、入力した値よりも生成されるねじの長さが1mmほど短くなってしまいます。理由は不明。

モデリングが終わったら、データをエクスポートして、STLというファイルで保存します。

 

「Ultimaker Cura」を使います。3Dプリンタの制御用のデータを生成するソフトです。ありがたいことに、こちらもフリーソフトです。

STL形式のファイルを読み込んで、3Dプリンタの種類とプロファイル(ノズルの速度や温度)を選択して、「Slice」ボタンを押すと、Gcodeという形式のファイルが出力されます。Gcode形式のファイルはSDカードに保存して、3Dプリンタに移し替えます。

「Ultimaker Cura」のインストーラはAnycubic Kobra Go付属のSDカードに入っていたのですが、ネットから最新バージョン(5.2.1)をダウンロードしました。気になる点として、最新バージョンに収録されていたAnycubic Kobraのプロファイルと、SDカードに収録されているプロファイルが一致しません。Anycubic KobraっていうのはGoと別物なのでしょうか。ここはSDカードのほうを信用したほうがいいと思います。

 

3Dプリンタでプリントします。プリントが終わるまでに1時間半くらいかかりました。

プリントのミスで、中央に大きな斜め線が入ってしまいました。これはノズルが速く動きすぎて、プラスチックが糸を引いてしまって、それが素材に埋まってしまうのが原因です。この糸を引かないようにするための設定方法がわかりません。

一発OKというわけにはいかなくて、実物が出来上がってから、本体に入らないことに気が付いて、作業工程をまるまるやり直しました。プログラミングとは違って、瞬時にリトライすることができません。

 

二度目のプリントで、うまく本体に挿し込むことができました。ここから上蓋も作らないといけませんが、このままで問題なく使えます。

凄い重要なことですが、プリントしたナットの穴は入力した寸法より狭くなってしまいます。逆にねじは太くなります。これはノズルから出るプラスチックの太さ(0.2mmくらい?)の都合でこうなるみたいです。サバを読んで設計しないといけません。

実物のカートリッジを真似して、挿し込み口付近に穴を空けてみたのですが、まったく意味がなかったです。一体、何のための穴なのでしょうか? 万引き防止?

3Dプリンタの理解が少し深まりました。

 

Anycubic Kobra Go(激安3Dプリンタ)

Amazon.co.jpで「Anycubic Kobra Go」という3Dプリンタを買ってみました。自分が買った時は値段は2万2000円くらい。さらにキャンペーンで1kgのフィラメントがオマケで付いてました。いくらなんでも安すぎです。

 

www.youtube.com

組み立ての様子を動画にしてみました。安すぎて心配だったのですが、サンプルのフクロウが問題なくプリントできました。

私自身、3Dプリンタについての知識が全くありません。プリントしたフクロウを外すのに悪戦苦闘してましたが、冷えたらあっさり取れました。

 

撮影の途中で、組み立て説明の動画ファイルがSDカードに入っていることに気が付きました。さすがに公式動画は出来がいいので、自分で撮る必要がなかったです。

 

出荷時は電源が230Vに設定されていますが、日本の場合、115Vに切り替えたほうがいいです。

 

調子に乗って、「メガドライブの拡張スロットのフタ」をプリントしてみたのですが、最初はフィラメント切れで失敗して、二度目はプリント中にベッドから外れて失敗。三回目で、このガタガタのやつが出来ました。

ノズルの温度とか、Z座標のオフセットとか、サポートとか、Adhesionとか、細かい調節をしないと、うまくプリントできないようです。コツを覚えないといけません。

 

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日経ソフトウエア 2023年1月号

2022年11月24日発売の「日経ソフトウエア 2023年1月号」で2件ほど記事を書かせて頂きました。

・特集、将棋アプリを作ろう。

・連載、IoT時代の電子工作 第7回目。

 

将棋アプリはPythonで作りました。

 

「IoT時代の電子工作」はオーソドックスなLEDの点灯/消灯のやり方を紹介しています。Raspberry Pi Picoを使いました。本当はRaspberry Pi Zero 2 Wを使いたかったのですが、どこにも売っていません。

 

Wi-Fiモジュールとして、ESP32を使ってみました。一番右側がESP32-WROOM-32Eで、右から二番目がESP32-WROOM-32Dです。末尾が「E」の方が新しくて、バグが修正されているらしいのですが、普通に使うぶんには性能は同じです。