日経ソフトウエア2024年1月号

雑誌「日経ソフトウエア2024年1月号」で次の記事を書かせて頂きました。

・特集「C言語弾幕シューティングゲームを作ろう Part1」。

・連載「IoT時代の電子工作 第12回」。

 

特集記事では「DXライブラリ」を使ったWindows用のシューティングゲームの作り方を紹介しています。まだ連載1回目なので、ゲームが完成していません。

使用するIDEは無償版の「Visual Studio 2022(Visual C++)」です。厳密には「DXライブラリ」はC++用のライブラリですが、関数の書式がC言語ライクなので、「C言語で開発する」と書いています。

 

C言語で開発するメリットとしてパフォーマンスの高さが挙げられると思います。上記の写真は1000発の弾を表示した様子ですが、60fpsで安定していて処理落ちしません。

DXライブラリの凄さが伝わりにくいので、PythonPygame Zero)で同じようなプログラムを作ってfpsを比較しました。これは8年くらい前に買った激安PCで実行しているので、速いマシンだと結果が違うかもしれません。

 

電子工作の連載記事では人を検出したらスマホにメールを送る装置の作り方を紹介しています。Raspberry Pi Pico Wと人感センサーを使っています。

 

(2023/11/27追記) 弾幕シューティングゲームの特集記事の図20が真っ黒に印刷されてしまいましたが、本当はこんな感じで星が写っている予定でした。

トキワ荘 マンガミュージアム

トキワ荘 マンガミュージアム」を見学してみました。「~マンガミュージアム」は2020年にオープンした、トキワ荘を模した美術館です。本物のトキワ荘はもう存在しません。

館内に入るには予約が必要ですが、お客さんが少ない場合に限り、飛び込みでも大丈夫です。入場料は500円。

 

もはや説明不要ですが、藤子不二雄Aさんの名作「まんが道」の続編的な作品が「愛…しりそめし頃に…」です。昔はこんな感じで紙媒体で読むしかなかったのですが、今は電子媒体で読むことができます。最近だと、全巻を期間限定で無料配信していて驚きました。気前が良すぎです。

ついでに言うと、Kindle Unlimitedを使うと「ハムサラダくん」と「まんが道大解剖」が読めるので、おすすめです。

 

「~マンガミュージアム」の二階部分。

共同炊事場がリアルに再現されています。

 

赤塚不二夫著「トキワ荘物語」より(トキワ荘青春物語に収録)。「まんが道」にも同じような場面があって、そっちのほうが有名だと思います。その昔、放送したNHKのドラマでも実写で再現されました。

 

「~マンガミュージアム」の1階部分。

よつばと!」の原画展を開催していました。写真撮影OKでした。ほとんどのページをアナログで描いていることに衝撃を受けます。ネームも展示しています。

 

「~マンガミュージアム」の近くある通りをトキワ荘通りと呼びます。Google Mapで確認したところ、2019年までは通りの先端に「南長崎ニコニコ商店街」というアーチが存在していました。

 

トキワ荘通りにある「松葉」。普通に営業しています。

 

トキワ荘通り 昭和レトロ館」。

トキワ荘関連の展示スペースです。漫画を描いたり、多目的用のフロアもあるみたいです。ショップ部分は時間外で閉まってました。

 

「~昭和レトロ館」の2階部分。

池袋のミニチュアとかトキワ荘を再現した家具類が展示してあります。無料で見学できますが、なぜかお客さんが居ません。

 

トキワ荘通り お休み処」。

トキワ荘関連の展示スペースです。喫茶店ではありません。無料で見学できますが、なぜかお客さんが居ません。ノートが置いてあって、自由にサインすることもできます。

無料の施設なのに、スタッフさんが熱心に解説してくれました。この建物は100年前に建てられたお米屋さんを改装したものだそうで、当時そのままの素材を使った天井やガラス窓が見どころです。

あと、しのだひでおさんのサインが飾ってあったので、ついでに紹介しておくと、、、

その昔、コロコロコミックで連載していた「藤子不二雄のまんが入門」。これを描いていたのが、しのだひでおさんです。投稿作品を手加減なしで批評してるところが良いです。当時、自分は真剣に読んでました。これを読んでいた頃、「ドラえもん」はFさん・Aさんの2人で描いてると思ってました。

 

「~お休み処」の2階部分。

こちらもトキワ荘を再現した家具類を展示しています。

 

合計で3件の施設を見学しましたが、驚いたことに外国人のお客さんには1人も遭遇しなかったです。

 

藤子・F・不二雄著「懐古の客」より(藤子・F・不二雄 異色短編集4 パラレル同窓会に収録)。未来人がアパートのボロさに感激するという1コマです。他にもドアが自動じゃないとか、食べ物が人工肉じゃないとかで喜ぶシーンがあります。主人公である漫画家の住んでいるアパートがトキワ荘そっくりに描かれているのが見どころ。この漫画を発表したのが1982年で、トキワ荘を解体した年と同じです。

未来人の懐古趣味が現代(昭和)というのが笑いどころなわけですが、今、自分たちが未来人と同じような立場になってしまったのが面白いです。

 

EGGY(エギー) for PC-6001

プロジェクトEGGで無料で配信している「EGGY(エギー)」を遊んでみました(会費として550円/月が必要)。PC-6001版は1984年に発売していると思います。

PC-6001用はカラー版とモノクロ版の2種類を収録しています。

キャラクターがドット単位で丁寧に動いていて、当時としては革新的なビジュアルです。見た目は「チョップリフター」そのままですが、ルールが大幅に違います。ちなみに「エギー」というのは惑星の名前です。

「エナ」というボディーアーマーを操って、物資を回収するというゲームです。一旦しゃがまないとジャンプできなかったり、弾が斜め下にしか撃てなかったり、空中で慣性が働いていたり、操作にクセがあります。

「物資」と呼ぶパラシュート。地面に落ちても一定時間は拾うことが可能。

 

ミミア人(エギー星ミミア国の人たち)。触れてはいません。接触するとダメージ&攻撃扱いになり、ゾルムに変身します。

 

ゾルム(ガプスのアーマロイド)。一発当てると動きが止まって、エネルギーとして回収できます。二発当てると、消えてしまうので要注意です。この一連のルールが取っ付きにくいです。

 

ボスカ(多重地点攻撃ミサイル)。2面から登場。PC-6001版は避ける隙間がほとんどないです。

 

エキュスーダ(ガプスの空艦部隊の戦闘機)。4面から登場。猛烈に攻撃してきます。こちらからは攻撃できないのが理不尽です。

 

物資は回収できなくても、ボーナスが減るだけです。なので、一定時間を耐え忍ぶだけで面クリアできます。

 

MSX版です。こちらも無料で遊べます。

正確な発売時期が不明ですが、1985年には発売していると思います。操作感覚はPC-6001とほぼ同じです。

 

PC-8801版です。こちらも無料で遊べます。1985年には発売していると思います。

驚くほどぬるぬる動きます。ちゃんとボスカを避けられるように作られていて、非常に遊びやすいです。ステートセーブもできるので、おすすめです。

この他、X1版EGGYも存在しますが、配信はしていません。

 

攻撃を食らうと操作不能になる仕様なので、運が悪いと連続で攻撃を食らって終わってしまいます。

敵の攻撃が激しすぎて、4面くらいでゲームオーバーになってしまいます。攻略は諦めてギブアップしました。

 

EGGY」は1984年に実施された「ボーステック プログラムコンテスト」で優秀賞(準優勝)を受賞した作品です。「ログイン」1984年4月号(3月8日発売)のボーステックの広告によると、コンテストの応募締め切りは5月10日でした。賞金総額300万円。

「I/O」1984年7月号(6月18日発売)の広告にコンテストの結果が掲載されています。以下の通りです。

・最優秀賞(賞金100万円)「妖怪探偵ちまちま(SMC-777)」

・優秀賞(賞金50万円)「EGGYPC-6001)」

・準優秀賞(賞金25万円)

「TROP WAY(X1)」「株価アナライザー(PC-9801/8801)」

・入選(賞金10万円)

「CHOBIN(PC-8801)」

「多機能ワープロ住所録(PC-9801)」

TAMA TAMA(PC-6001mkII)」

「家計簿(PC-9801)」

「FREE WAY(PC-8801)」

「SPACE DIAMOND(PC-8001mkII)」

「FM7 DSKPWUP UT(FM-7)」

「BUSINESS TOUR(FM-7)」

「STAIR CAT(FM-8/7)」

「クリーバー(FM-7)」

当初の予定では優秀賞は2作でしたが、これを1作に減らし、準優秀賞を2作にしたとのことです。

「ログイン」1984年8月号(7月18日発売)のボーステックの広告にはもう「妖怪探偵ちまちま(88版)」「EGGY (P6版)」「CHOBIN(88版)」の価格が掲載されています。5月の末に受賞が決定したとして、7月中旬には販売? 猛烈なペースで商品化したということになります。

 

雑誌「PCマガジン」1985年1月号に 「EGGY」 のプログラムが掲載されました。

ゲームの発売から半年経たないうちに中身を公開してしまったという、極めて珍しいケースです。記事は全部で8ページ。うち3ページが解説、5ページがプログラムリストです。プログラムはマシン語の入力ツールとダンプリストの2本に分かれていました。

自分は当時、「これを打ち込んだら遊べるのか!」と興奮しながら記事を持ち続けましたが、結局、打ち込むことはありませんでした。仮に打ち込んだとしても、誤植があったので動かなかったわけですが、、、。

 

1985年2月号の訂正記事です。記事が小さすぎて、スルーしてしまいそうです。誤植しても、全く謝罪しないところが珍しいです。

「PCマガジン」はこの他にも「爆弾男」「リザード」「夢幻の心臓」「バンダル」など、有名どころのゲームのプログラムリストを公開しています。かなり気前の良い雑誌だったのではないでしょうか。

CEATEC 2023

CEATEC 2023」を見学してきました。

ブロードバンド、燃料電池、地上波デジタルTV、5Gなど、その時々で流行があるのですが、今回はこれといって目玉が見当たりません。しいて言うと「AI」ですが。AIは展示に映えないのが難点です。

結構な交通費と時間を費して、幕張メッセへ行って、会場を歩き回って、チラシをもらったりするわけですが、こうした行為がもう全くITソリューションじゃない。情報収集はネットで十分じゃないか? という気になります。いまさらですが。

会場のコンパニオンのお姉さんが一生懸命QRコードを読み取ってます。こっちが了承してないのに、勝手にQRコードを読み取られることもありました。缶コーヒーとかチョコレートとかをもらうことができますが、この幼稚なやり取りがどうにも気に入らない。

ネガティブなことばかり書いても仕方ないので、ポジティブなことを。

 

こうしたイベントはリアルで体験できるというメリットがあります。今現在、最も注目のデバイスというと、スマートグラスでしょうか。スマートグラスは毎年、見かけるのですが、今回は特に多かったです。

これは「XREAL air2」。実物を見た感想としては「確かに映ってますね」で終わりですが、今後のソフトの出来で価値が決まると思います。あと、入力デバイスをどうするか。

 

三菱のブースですが、スマホでコントロールできるロボットです。つかんで持ち上げて、終わり? 狙いどころは何なんでしょうか。やってることが20年くらい古いような。

 

同じく三菱の配送ロボット。

物流の自動化は今後の大きなテーマだと思います。

 

フレーズがダサすぎて撮影してしまいました。サイバネティックスはそもそもフィジカルを内包してると思うのですが、どう意味でこの言葉を使っているのか。

ソサエティ5.0もインダストリー4.0のパクリみたいで、どうかと思う。

 

ソニーのブース。網膜投影なんとかっていうのが気になっていたのですが、ブースにすら入れない人気ぶり(およそ30分待ち)。行列で「最後尾」って書いた板を持っているスタッフの姿を見ると、20世紀にタイムスリップした気分になります。こういうところにITソリューションを活用してみては。

というわけで、今回のCEATECは期待外れでしたが、無料なので贅沢言えません。業界全体の景気が悪いと感じます。この危機感を体験するだけでも行く価値はあるかもしれません。

 

帰りに立ち寄った南船橋のそば屋さん。「発券」ボタンを押すと、自動的にオーダーが厨房に届きます。出来上がったら、お客を番号で呼び出して、そこで食券を渡すという仕組みです。

これぞITソリューションだな思います。

戦闘伝説エルフ for PC-8801

プロジェクトEGGで無料で配信している「戦闘伝説エルフ for PC-8801」を遊んでみました(会費として550円/月が必要)。1985年発売のシューティングゲームです。開発はコスモスコンピューター。

 

1面はこんな感じ。プレイヤーは自機(ERFIXというロボット)を操って、敵を倒しながら進んでいきます。

操作方法は以下の通り。

・テンキー:自機の移動。ゲームパッド非対応

・Zキー:通常ミサイルの発射。全く役に立ちません。

・Xキー:特殊ミサイルの発射。押しっぱなしで3連射が可能。

 

自機がゲートに接触すると、キーの入力待ちになり、装備の変更ができます。

F1:長距離ミサイル。
F2:左右往復ミサイル。自機の手前だけを攻撃します。
F3:斜め後ろへのミサイル。
F4:前方お手玉ミサイル。前方に円を描いて飛ぶ。
F5:後方お手玉ミサイル。鉄アレイっぽいのが後方に円を描いて飛ぶ。

ゲートの出現回数が少ないので、敵に応じて装備を変えるというような使い方ができません。F2が便利すぎるので、装備を変える必要はないです。

 

2面。プレイヤーキャラが飛行形態に変形。見た目が変わるだけなので、性能は変わりません。

 

3面。雪原地帯。このカブトガニみたいなものは、飛行機でしょうか。

 

4面。道幅が狭くなったりします。自機が外壁に触れたら1ミスです。

スクリーンショットに失敗して、自機が消えてます。

 

5面。川の中を進んでいきます。動きが遅くなるとか、そういう要素はありません。

 

6面。道幅が異常に狭くなります。外壁に触れたら一発アウトです。この状態で敵が猛スピードでバックアタックしてきます。霊感で避けるしかありません。

 

7面。ラスボスのZEEDIANとの一騎打ち。

「ERFIX」が自機の体力で、「ZEEDIAN」がラスボスの体力です。攻撃が当たっているのどうかよくわからず、倒すまでに物凄い時間がかかります。

ラスボスを倒すと、メッセージが出て、1面に戻ります。F2(左右往復ミサイル)の装備だけで最後まで行けました。結局、『悪の組織が奪った人工頭脳「ゼス」』ってのは、出てこなかったです。

mkII SRじゃない時代の作品なので、画面表示がカクカクしています。縦スクロールということになっていますが、動いているのは外壁だけで迫力がない。敵はパターン通りに動き回るだけ。移動量が大きくて、ワープしているように動きます。こちらの弾が敵に当たると一発で消滅しますが、たまに弾をすり抜けて体当たりを食らいます。運の要素が強くて、戦略性が欠けていると感じます。

というわけで、今の基準で見るとイマイチな作品ですが、この時代はこうでした。名作ばかり追いかけないで、たまにこういうゲームを遊ぶと視野が広がるかもしれません。