XE-1AP互換品を作ってPCエンジン版「アフターバーナーII」を遊ぶ

値段が高すぎる「XE-1AP」の中古品にブチ切れてスタートした「XE-1APの互換品を作る試み」。その後、「12種類に対応するパッド変換器(12way pad converter)」という万能パッド変換器のプロジェクトに統合しました。

1年半くらい続いていて、まだ完成していません。

 

メガドラ版「アフターバーナーII」をアナログモードで遊ぶことには成功していたので、今回はPCエンジン版「アフターバーナーII」をアナログモードで遊んでみました。PCエンジン側はXHE-3を中継したXE-1APとして認識します。

操作は以下のように割り当てました。

・R1→A(空対空ミサイル)

・R2→B(バルカン砲)

・START→START

・右スティックY→スロットル(スピード)

・左スティックX&Y→スティックX&Y(上下左右移動)

 

PCエンジン版「アフターバーナーII」はハードの限界を超えてて、奇跡のような出来。本作について、ファミ通(1991年2月22日号)で「ぜんぜんおもしろくない」と書かれていたんですが、あれは一体、何だったのか?

PCエンジンアフターバーナーIIがアナログパッドに対応している」ということは、説明書には載っていません(スタッフクレジットに「ANALOG DRV」の文字だけ載ってます)。変換器を使えばサイバースティックでも遊べますが、あまり大っぴらに宣伝してないと思います。

(2022/7/11追記。「PCエンジンFAN」1990年12月号を読むと、アウトランが変換器+サイバースティックで遊べるというプレゼント企画が載ってました。)

 

公式で認めているのはXE-1APだけです。変換器のXHE-3が発売されたのは1992年なので、XE-1APを持っていてもPCエンジンで使えない、という地獄のような期間が1年以上続いていたことになります。

 

www.youtube.com

 

最初、アフターバーナーIIをプレイしたら、スティックのX軸とY軸が入れ違って動いてしまって、そこで、自分の資料にミスがあることを発見(1年半ぶり)。

過去に作ったプログラムも全部X軸とY軸が逆になってて、あわてて直しました。なんともお恥ずかしい限り。

 

ちなみに「アフターバーナーII」の開発はビッツ・ラボラトリー。プログラマさんはサターンBASICと同じ人です。

 

話を戻すと、「12種類に対応するパッド変換器」は回路図なしで、いきなり基板を作ったら、干渉したり、パターンのミスがあったり、問題点が噴出しまくってました。このまま、素材ゴミになるところを、ドリルで復活。

この基板の代金で、XE-1APが買えます。

 

プレステ用のコネクタは、Kingworldさんの「2pcs Black 9 Pin 180 disgree Female Connector Game Controller Socket Slot for PS2 Console for playstation2 accessory」というのを買ってみました。価格は2組セットで136円+送料。端子の素材が良くなくて、うまくハンダがくっ付きません。

 

秋月で580円で買ったOLED(SSD1306)を搭載。応答性が良いです。モノクロ128x64pixelなので、VRAMを確保するだけで1KBも使ってしまいます。

自作の8x8pixelフォントを二倍に拡大して表示しています。

 

対応するパッドの数が増えてしまって、14だったり15だったりするので、「Multiway pad converter」と名称を変更しました。

メガドラ6ボタンパッド、アルカノイドコントローラ、クレイジークライマー専用コントローラ、セガマウスの互換品作りもこのプロジェクトに統合しています。

最新版のファームウエアと回路図はこちらで公開中。

github.com

Arduino Pro miniがあれば動くので、ブレッドボードで再現することも可能です。

 

関連

nicotakuya.hatenablog.com

nicotakuya.hatenablog.com

nicotakuya.hatenablog.com

Atmel Studio7からMicrochip Studio for AVRへの移行

AVRマイコンの開発環境は「AVR Studio4」→「AVR Studio5」→「Atmel Studio6」→「Atmel Studio7」と目まぐるしく変わってます。

最新の開発環境は「Microchip Studio for AVR」です。買収されて、Atmelの名前が消滅しました。

 

「Microchip Studio for AVR」は「Atmel Studio7」で作ったプロジェクトを読み込む機能が付いていますので、問題なく移行できる、、、かと思ったら、ビルド時にエラーが出てしまいました。

 

f:id:nicotakuya:20210617031317p:plain

タイムアウトエラー

そこで、「ATmega_DFP 1.2.132」というパッケージのダウンロードを試みたのですが、タイムアウトエラーが出て、何度やってもダウンロードが完了しません。

「microchip studio Pack Manager timeout error」で検索したら、同じトラブルを抱えてる人が居て、それによると、以下のページから、パッケージをダウンロードすると良いそうです。

 

packs.download.atmel.com

 

f:id:nicotakuya:20210617031344p:plain

Pack Managerでファイルの追加

「ATmega_DFP 1.2.132」を手動でインストール。

 

f:id:nicotakuya:20210617031413p:plain

ビルドに成功

無事にビルドできるようになりました。いったい何だったんだ?

Arduinoに慣れてしまうと、この開発環境が面倒だと思ってしまいます。

以上のトラブルは1年半くらい前に自分が遭遇した現象なので、すでに解決されている可能性があります。

 

(1年半ぶりに)今、Pack Managerで確認すると、ATmega_DFPのアップデートがあったので、インストールしてみました。今回は、エラーはなく、無事にダウンロードできました。

アップデートの効果は不明です。

 

f:id:nicotakuya:20210617124544p:plain

XC8をアンインストール

あと、Microchip Studioをインストールすると、「MPLAB XC8」というCコンパイラが一緒にインストールされますが、100%いらないです。アンインストールしました。

 

セガマウス互換品の自作

まだ開発途中ですが、「セガマウス」として認識するパッド変換器を作ってみました。需要が全くないので、たぶん世界初の試みです。

 

www.youtube.com

 

セガマウス」というのは、その昔、セガが発売したメガドライブ専用のマウスです。あまり出回っていないのか、中古品はプレミア価格になっています。

 

[セガハード大百科] メガドライブ対応ソフトウェア(セガ発売)

公式ページの情報によると、セガマウスの対応ソフトは全部で15本

そのうち、メガCD用のマウス対応ソフトはこちら。

  1. ライズ オブ ザ ドラゴン
  2. シムアース
  3. スイッチ
  4. 笑ゥせぇるすまん
  5. 夢見館の物語
  6. モンキー・アイランド ユーレイ海賊大騒動!
  7. マイト アンド マジックⅢ
  8. 真・女神転生
  9. ダンジョンマスターⅡ スカルキープ
  10. うる星やつら ディア マイ フレンズ
  11. スターブレード

カートリッジ形式のマウス対応ソフトは以下の通り。

  1. マーブルマッドネス
  2. 信長の野望 全国版
  3. 雀皇登竜門
  4. ロードモナーク とことん戦闘伝説

、、、たった4本。少なすぎる。ここで、一番有名なのは「マーブルマッドネス」ですが、結構なプレミアソフトです。

この他、海外のGENESIS用でマウス対応のソフトがあるかもしれません。

 

f:id:nicotakuya:20210124224759p:plain

雀皇登竜門

動作チェック用として「雀皇登竜門(1993)」を買ってみました。セガマウスに対応させる遊び心が、さすがゲームアーツという感じ。

 

セガマウスのプロトコルはSGDKの「joy.c」が参考になります。おそらく、世の中にある資料はコレしかないです。

1フレームあたりに、メガドラに対して、10ニブルを送ればいいだけなのですが、、、

 

ソースを読んでいると、ポートの入出力を変更している箇所を発見。

なんと、セガマウスの通信時に限り、ゲームパッド用ポートの9番ピンが出力(メガドラ→マウス)に変わります。通常時は入力です。間違って信号が衝突したら回路が壊れそう、と思うかもしれませんが、それを見越してか、メガドラ本体の9番ピンと7番ピンには抵抗が入っています。

 

joy.cを元にタイミングチャートを書いてみました。同期の方法が複雑です。

最初の2ニブル(0x0、0xB)でメガドラは接続デバイスが「セガマウス」であると判断できるようです。

2ニブル目の最初だけ7番ピンの変化を合図に送信します。

それ以降は9番ピンの変化を合図に送信します。

6番ピンを反転する(9pinと同じ論理にする)ことで、データの格納が終わったことを伝えます。実際に試した感じでは、データ格納から1マイクロ秒くらい待ってから、反転しないとデータ化けが起きてしまいます。

7番ピンは得に役割が無くて、それなら、7番ピンと9番ピンは1つにまとめることができるのでは? と思ってしまう。これだけだと謎ですが、マルチタップへの応用を考えた仕様だと思います。

 

SGDKに付属する「joy-test」というサンプルプログラム。これをROMに焼けば、実機でセガマウスを検出できます。SGDKのデバイスドライバは優秀で、マウスの認識も自動的に行ってくれます。マウスカーソルの累積的な座標を自動的に算出してくれます。

megamouse」に誤植しているのはご愛敬。、、、って、思ったら、GENESISだとMegamouseが正式名だそうです。

 

変換器を使ってみた感じでは、デュアルショック2のアナログレバーだとマウスカーソルは操作しにくいです。ゲームパッドじゃなくて、マウスで入力できたらいいですね。当たり前ですが。

 

nicotakuya.hatenablog.com

nicotakuya.hatenablog.com

Xbox Oneの「アップデートに問題が発生しました」

Xbox Oneの「アップデートに問題が発生しました」というエラーの解決方法がわかったので紹介します。

現象としては、本体のアップデートで更新データをダウンロードした直後に、上のようなエラーが出てしまいます(まるでWIndowsみたいなメッセージ)。

 

更新データ(780MB)のダウンロードが完了した時点でエラーが出ます。

エラーが出たら、データが0バイトに戻って、ダウンロードのやり直し。アップデートの無限地獄に陥ります。

解決方法はインターネット接続を有線LANにするだけ。たったそれだけですが、1年半くらい気が付きませんでした。おそらく、うちのWi-Fiルータとの相性が良くないのが原因だと思います。

ベーマガのバックナンバー(創刊40周年)

パソコン雑誌「マイコンBASIC Magazine」、、、通称「ベーマガ」。

念のために言っておくと、楽器の雑誌や野球の雑誌とは別モノです。

 

(月刊「マイコン」1982年7月号の広告より)

ベーマガ1982年6月10日に創刊してから今日で40周年。「ラジオの製作」の付録時代からだと41周年。休刊してから19周年です。

 

パソ通もインターネットも無い時代、パソコンにとって最良のメディアは「雑誌」でした。

自分が初めて買ったベーマガ1984年から。たとえば、1984年1月号だと「ゼビウス」のマップが載っていて、さらに70本くらいのプログラムが載っていて、価格が350円でした。これはもう、問答無用で買いますよね?

誌面の半分を読者投稿が占めていたこと、ライターさんが趣味的・献身的に働いたことで、コストパフォーマンスの高い雑誌を作り上げていました。

このベーマガベーマガたらしめている何かを「ベーマガ・イズム」と勝手に呼んでいます。この話は別の機会にしたいです。

 

突然ですが、今、ベーマガのバックナンバーを読む方法について考えてみたいと思います。

今から10年くらい前までは、ベーマガを読むには国会図書館に行くか、オークションで買うしかありませんでした。古い雑誌は、ブックオフやもったいない本舗は買い取らないので、流通しません。

しかし、2015年、秋葉原に「BEEP」がオープンして、中古のベーマガが手軽に買えるようになりました。お金を出すだけでベーマガのバックナンバーが手に入る。これは画期的なことでした。

上の写真は「BEEPの夜店」で目撃したベーマガ1982年7月号・創刊号です(2022年3月当時)。なかなか良いお値段ですが、あっという間に売れてしまいました。

 

そのほか、BEEPの夜店で売っていたベーマガ1982年・6冊セット(2022年4月当時)。ここまでキレイに保管されていることに驚かされます。元の持ち主は、よほどマメな人ですね。

これも、あっという間に売れてしまいました。

 

時期は不明ですが、かなり前から駿河屋でも中古のベーマガが買えるようになりました。

上の写真は今から5年前駿河屋のWebページです(2017年5月当時)。2022年現在と比べると、ちょっと価格が高い感じがします。

 

スクリーンショットを何枚か保管してあったので、2017年当時の価格を50件ほど表計算ソフトに入力しました。さらに、2022年6月現在の駿河屋での価格を200件ほど入力しました。

当然ながら、商品のコンディションや店員さんの性格によって値段のブレが生じます。複数の場合は金額を平均化しています。付録単体の商品は除外しています。

 

入力結果を散布図でグラフ化してみました。

X軸が「雑誌の号数」、Y軸が「価格」です。グラフの赤色は2022年6月現在の価格、水色は2017年当時の価格です。ラ製の付録は高額すぎて、グラフからはみ出ました。

2つグラフを重ねた結果、1986年以前のベーマガは5年経っても、あまり価値が揺らいでないことがわかります。

ですが、1987年以降は半分以下に値下がりしています。これは、価値が下がったのか、適正価格になっただけか? 時間が経って値上がりするのかと思ったら、実際は逆なのが、気になります。まあ、安く買えるようになったのは、結構なことだと思います。

あと、気になるのは、1993年あたりになって、ベーマガの価格が急に下がる傾向にあることです。金額は違いますが、現象としては5年前も現在も同じです。この現象を「アタリ・ショック」や「ソニー・ショック」にならって、「ベーマガ・ショック」と呼びたいです。

1992年というと、バブル崩壊。そして、Macintoshが低価格化した年。1993年はDOS/Vが本格化した年。1994年はプレステ発売。いろいろあって、ホビーパソコン市場が終わり始めた時期だと思うので、「ホビーパソコンショック」と言うのが正しいかもしれません。このへんは、詳しい人の意見を聞きたいところです。

ベーマガショックは1995年と1999年と2001年にも起こっている可能性がありますが、このグラフからは感じ取ることはできませんでした。もっとサンプルが必要です。

 

ベーマガのバックナンバーを最も簡単に読む方法。それはarchive.orgを見ることです。archive.orgにはベーマガのスキャン画像が9年ぶんくらいアップロードされています。しかもタダで読めてしまいます。先のベーマガ・ショックを裏付けるかのように、1994年でスキャンが終わっていますが、1995年以降も面白い記事は一杯あります。

しかし、これって、法的な見解ってどうなっているのでしょう? 一応、「ネットの図書館」ってことになっていますが、著作権的に思いっきりアウトな気がします。

「バックアップ活用テクニック」みたく公式がKindleで配信してくれたら嬉しいのですが。