ベーマガのジョジョブーム

f:id:nicotakuya:20220126093322j:plainベーマガ1987年12月号の「読者の広場」で山下章さんがジョジョの女性主人公の登場を予想していました。これが書かれたのが、週刊少年ジャンプジョジョの第2部が掲載される直前というタイミング。実際に女性主人公(徐倫)が登場するのは第6部(1999年)からなので、先見の明がありすぎです。

上記の写真を見て、なんだこれ?と思うかもしれませんが、ベーマガというのは、こういうパソコンとは無関係の情報を載せてしまう雑誌でした。

説明すると、「読者の広場」というのは「山下章のレスキュー!!AVGRPG」というコーナーにあった、読者投稿ページでした。インターネットが無かった時代に、ユーザーの声というのは貴重だったと思います。

 

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1986年12月号で「読者が創る(秘)&(意)コーナー」が独立して、「読者の広場」はスカスカの状態になってしまうのですが、それがネタ投稿ページとして突然変異してしまいます。

転機となったのが1987年8月号。

ここで「おまえは今まで解いたAVGの数をおぼえているのか?」というパロディのイラスト投稿が掲載されました(元ネタは「血も凍る仮面力の巻」に登場するDIO)。これに対して、山下さんが「何を隠そう、ボクらの間では、少年ジャンプの『ジョジョの奇妙な冒険』が大流行してるんだ。」と語り、ベーマガ内でジョジョブームが始まります。この時点で、まだジョジョは単行本が発売されておらず、ジャンプのリアルタイムの読者しか話題についていけませんでした。

 

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「大流行」発言の2か月後、1987年10月号にて、くりひろしさんの「Dr.Dと影のパソコンレクチャー(25)」で、「あたしィィの影ちゃあァァァん!」というパロディを掲載(元ネタは「遥かな国からの3人の巻」に登場するゾンビ)。しかし、絵が不気味すぎたのか、コマが真っ黒に塗りつぶされてしまいました。現在は「パソコン・レクチャー1 Dr.Dと影のパソコン・レクチャー」がKindleで配信されていますので、規制解除バージョンを読むことができます。

「読者の広場」は暴走を続け、ジョジョに限らず、「北斗の拳」や「ゴッドサイダー」などのパロディが掲載され、「ジャンプ放送局」と化してしまいました。

1988年5月号 からはノリを受け継いだ「読者の闘技場」というコーナーが始まります。一部に有名な「魔中年見城」ネタもこの時期に登場しています(1989年1月号掲載)。1989年4月号で「読者の闘技場」は一旦終了。1年8か月くらい続いたジョジョブーム&ジャンプブームは突然終わります。

今や、ジョジョは世界規模のコンテンツになってしまいました。「SPUR(シュプール)」という女性向けファッション雑誌の2022年3月号ではジョジョが特集されているとのこと。

ジョジョの第6部のテレビアニメが地上波で現在放送中(NETFLIXで先行放送)。アマゾンプライムを使えばアニメは第1部~第5部まで観れます。原作は「ヤンジャン!」というアプリを使えば、第1部~第7部まで無料で読めます(第8部は1~24巻まで無料)。