獣神ローガス for PC-9801

プロジェクトEGGで配信中の「獣神ローガス(1988年発売)」を遊んでみました。

PC-9801がまだゲーム機として根付いてなかった頃、PC-9801専用として出たチャレンジングな作品。

じゅうじんじゃなくて、じゅうしんって読むんですか? 35年間、勘違いしてました。

 

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獣神ローガス(PC-9801専用)

このゲーム、第一印象は最悪で、面白い/つまんない以前に全く遊べない状態です。1画面進んだら敵にボコボコにやられてGAME OVER。キーボード操作だし(ゲームパッド非対応)、ジャンプ中の移動が不可能だし、自機は脆いし、動きがモッサリしてるし。そして、敵は固くて、素早い。

なんだこれは?!

 

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ちょっとだけ領土拡大に成功

すぐに放り出したのですが、当時のパソコンゲームって、こんな感じだったなと。やたらとプレイヤーに厳しい、そういう文化がありました。

気を取り直して再チャレンジ。30回くらい死にまくって、やっとコツがわかってきました。面白さが見えてくるまでに時間がかかります。

 

 

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獣神ローガスの画面

このゲーム、画面内容をきちんと読み解かないと、クリアできません。付属の説明書では説明が足りないので、補足してみました。

特に重要なのは、武器コンディションです。オーバーヒートするので連続攻撃は厳禁。

あと、誘爆に注意。突撃はNGです。基地は壊さないほうがいいのですが、誘爆狙いで壊すのもアリ。操作性の悪さは気合で乗り越えます。

 

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獣神ローガスの広告(ベーマガ1986年12月号より)

当時のベーマガの広告。絵は加藤直之さんですね。クリムトにギーガーを混ぜたような感じで、インパクトあります。

広告は全部で11回ほど掲載されているのですが、前代未聞の発売日変更ラッシュです。

・1986年12月号「11月下旬発売!」

・1987年1月号「2月下旬発売!」

・(1987年2~3月号 広告未掲載)

・1987年4月号「3月下旬発売!」「構想一年、プログラム3回追加」「温めすぎるほど温め、遅れに遅れた『獣神ローガス』がついに火を噴く!」

・1987年5月号「4月下旬発売」
・1987年6月号「6月発売!」「またちょっと延期になります。ごめんなさい。」

・1987年7月号「7月発売!」「発売延期が幾度となく続いた『獣神ローガス』がついに皆さまの前に登場することになりました。」

・1987年8月号「7月発売!」

・1987年9月号「8月発売!」

・1987年10月号「9月発売!」

・1987年11月号「10月発売!」

、、、この一連の広告の凄いところは画面写真が一度も載らなかったこと。そして、発売日を明かす前に広告が一旦終わったことです。

・1988年6月号(最後の広告)。ここで画面写真が載ってます。

最初、対応機種は「PC8801シリーズ、X1シリーズ(FM7/77/AV、MSX移植中)」とアナウンスしてましたが、1987年4月号から「PC9800シリーズ、X1シリーズ(PC8801、FM7/77/AV、MSX移植中)」に変わりました。

「毎秒18コマ、2000画面、8方向スクロール オールアニメ ロールプレイング アクション」という謎のキャッチコピーは1987年4月号までで、5月号から消えてます。

PC-9801版完成のお知らせは1988年1月号の「RANDOM POST」(巻末の企業ページ)に掲載されています。これを書いたのが、山口祐平さんという方です。獣神ローガスのプロジェクトに参加していないとのこと。8ビット版の移植に自信満々なコメントを寄せています。結局、8ビット版は発売しませんでした。理由は不明。

獣神ローガスの発売日が不明ですが、半ページのレビューが1988年3月号(2月売り)に掲載されているので、1月後半じゃないでしょうか。

ベーマガ1988年4月号に手塚一郎さんによる獣神ローガスの紹介記事が3ページ載ってます。絶賛に近い評価でした。

話はこれで終わりだったのですが、、、

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WonderWitch用画像変換ツールのソース

「獣神ローガス」で検索したらプログラム担当がc.mosさんだったことを知りました。衝撃の事実。c.mosさんは「WonderWitch」のBIOS(FreyaOS)と関連ツールを作った人。「VZ Editor」の作者として有名ですね。「蘇るPC-9801伝説 永久保存版(2004年)」の「PC業界キーパーソンが語る」というページにも登場します。バイナリエディタの「BZ」は今もお世話になっています。

「獣神ローガス」と「WonderWitch」はどっちも8086系のCPUで動いているという共通点があります。アセンブラでコードが書ける人って、いつの時代も貴重です。

 

あと、Wikipediaで「ミネルバトンシリーズ」っていう項目が出てきたんですが、一体、何なんでしょう。ファミコンゲーム「ミネルバトンサーガ(1987年)」 のエンディングを見ると、SOUND担当として、c.mosさんのお名前があります。どう考えても、ミネルバトンサーガと獣神ローガスの開発期間が重なります。

ミネルバトンサーガゲームデザイン担当の「HEY YOU」が先に登場した山口祐平さんですね。検索したら、著作が一杯ある人でした。ランダムハウスには「暗黒城」「リグラス」の頃から参加されてます。ちなみに「リグラス」は「獣神ローガス」よりもプレイヤーに厳しいです。

 

(2021/10/12追記)

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ミサイルが使用可に

戦闘を繰り返すと、レベルが上がっていって、装備がアンロック&パワーアップされます。

今のところ確認できたのは、SHIELD、BALKAN、BEAM、BAZOOKA、BOMB、MISSILE、FIXERの7種類。

最初に使えるのはBALKANだけ。BALKANは弾切れしないが、連続使用できない。

FIXERは効果が不明。

一進一退の繰り返し。敵が無限に襲ってくるので、DEFENCEを補充してもキリがないです。なにかコツがあるんでしょうか。

 

続き

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