ガラスエポキシ基板の切断

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P板.com で複数の基板を一度に作ると、面付け作業と基板のカット代で5000円くらい値上がりしてしまいます。それを回避すべく、1枚の基板として作って自分で切断するという方法を試してみました。

上の写真では4枚の基板を1枚にまとめてみました。切断することを考えて、外形をデザインします。すき間を入れてます。

製造のルールにより、基板の両サイドでつなぎ目を5mm以上残す必要があります。

 

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紙フェノール基板だったらカッターで傷付けてから折るだけです。

しかし、ガラスエポキシ基板だと、その方法では切れません。

最初にミニルーター用の丸のこ(電動ドリル/ドライバーに装着)で切断を試みましたが、刃が木工用だったので、基板にちょっと傷が付くだけでした。ガリガリと騒音を出しまくって近所迷惑です。

 

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1.5mmのドリルで穴を空けてから折ってみました。一応、4枚のうち3枚だけ分離できましたが、バリが残ってます。折る時に粘りがあって、切断面が白くなります。

 

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そこで使ってみたのがダイヤモンドカッター。これは13年前にダイソーで売っていたものです。昔のダイソーはミニルーターやハンダこてまで売ってました。

 

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本当に切れるのか半信半疑でしたが、問題なく切れますね。あっという間に基板が粉だらけになります。ディスクの側面を当てて、ヤスリがけもできます。最初からこれでやればよかった。

切った時に出る粉はガラス繊維で、肺に入ると有害です。マスクして作業した方がいいです。

 

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最終的にこうなりました。バリもなくなりました。
これで、製造コストを5000円ほど節約することができました

 

 (2024/04/11追記)

久々にダイヤモンドカッターを発見したので買ってみました。

軸と刃が別々だったものがセットになっていますので、実質半額です。

 

WonderWitch用の通信ケーブルの自作(update)

nicotakuya.hatenablog.com

前回の続きです。

WonderWitch用通信ケーブルを自作します。

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プリント基板化

前回はブレッドボードの回路でしたが、それをプリント基板にしてみました。形状が正確な四角形じゃなくて、ガタガタですが、気にしないでください。

 

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回路図を修正

回路図をちょっとだけ直しました。TXDに付いていた抵抗を取り去りました。

あと、プルダウン抵抗を追加しました。スワン側にケーブルが差さっていない時、USB側のRXDにゴミデータを流さないためのものです。

 

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CADデータ

基板のCADデータです。

シンプルなので、ユニバーサル基板でも作れます。

 

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組み立て完成

完成すると、こんな感じ。

ワンダースワンは3.3Vで動くので、USBシリアルのI/Oは3.3Vモードに設定します。

 

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通信中

動作中の様子です。

問題なくTransMagicが動きました。

 

カセットビジョンの分解

カセットビジョン」を分解してみました。

スーパーじゃないほう(初代)のカセットビジョンです。

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カセットビジョンの外観

カセットビジョンの外観です。1981年エポック社が発売したTVゲーム機。

テニスゲームなどを遊べるようにパドルが4個も付いてます。レバーは2人プレイを想定して2つ付いてます。レバーは左右にしか動きません。「パクパクモンスター」は4個のプッシュボタンで操作します。

カセットビジョンの功績はファミコン発売の約2年前にカセット式というスタイルを世間に広めたこと。「きこりの与作」はハイテク満載の画期的なゲームでした。今だとショボいと思われますが、当時の反応は全く逆です。

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カセットビジョンの内部。ワイヤーだらけ

基板は全部で4枚。カートリッジ接続基板、RF基板、電源パネル基板、コントローラ基板。と勝手に名付けました。コントローラ基板⇨電源パネル基板⇨カートリッジ接続基板⇨RF基板の順につながってます。ファミコンと比べると、洗練されていなくて、ごちゃごちゃしてます。うっかりすると断線しそう。

カードエッジコネクタ(36ピン)は2.54mmピッチですね。これなら千石電商で売ってます。

基板の各所に端子名が印刷されています。親切です。

 

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ACアダプタ(非純正)を接続

説明書によると、専用のACアダプタはセンターマイナスのDC6Vとのこと。直径2.1mmのDCプラグが使えます。秋月製のACアダプタ(センタープラス)の極性を反転してつないでみました。

写真のものは定電圧タイプですが、これだと電圧が高すぎますね。定電圧なら5Vがいいと思います。基板上に三端子レギュレータが見当たらないのが怖いところ。

 

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カートリッジ接続基板。フラットケーブルが邪魔

A1〜A18、B1〜B18はカードエッジコネクタの端子名です。今回、分解した目的はこれを調べることです。

驚いたことに、テスターで測ってみると、VSSの電圧が「-5.5V」でした。マイナスの電圧です。うっかり壊したかと思って、血の気が引きましたが、どうやらこれが正常みたいです。この回路、GNDがVCCとして機能していて、VSSが信号のGNDとして機能しています。ACアダプタのプラス側がGND につながってます。ACアダプタのGND側がVSSに。

ややこしすぎます。

 

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カートリッジ接続基板(別アングルから)

フラットケーブルが邪魔だったので別アングルから。

GPとGPINは光線銃の端子ですね。

CLKは動作クロック(約3.579MHz)です。

Soundは音の信号。 

おそらく、Videoは映像信号。 B-Y、R-Y、CR-REは色の信号。基板の印刷そのまま書いたので、よくわかってません。同期信号が見当たりません。

上の図では、ところどころに「6V」と書いてしまったのですが、5Vが正解かもしれません。

 

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コントローラ基板

コントローラ基板です。ポートを節約するため、キーマトリックスになってます。「S~」が出力で、「K~」が入力。論理が不明ですが、スキャンしたい時は出力をLowにすると思います。

 

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電源パネル基板

電源パネル基板。スライドスイッチをONにすると、VSSがつながります。つなぐなら普通、VCC側だと思いますが、仕様が独特です。

 

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カセットビジョンのカートリッジ

カートリッジも分解してみました。これは「ギャラクシアン」。たぶんナムコと関係ないと思います。

端子名は本体側を調べた内容から推測しています。間違っていたらすみません。

カセットビジョンはカートリッジ側にCPU(NEC製)が入っています。ワンパッケージなので、Romの吸い出しができません。対応するエミュレータもないと思います。

カートリッジの自作もできないのが困ったところですが、CPUごと載せ替えればなんとかなるかもしれません。

あと、カードエッジのA18がなんなのか、わかりませんでした。

 

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RF基板

A18をたどっていくと、黄色いワイヤーがRF基板につながっていました。ここで手詰まりでした。ヒートシンクの下にRF信号を発生させるICがあり、そこにつながってます。

言い忘れましたが、RF信号でアナログ放送なテレビに出力するので、今の地上デジタルなテレビでは映りません。

ベーマガ創刊/休刊スクリプト

Chromeの「おすすめの記事」に『「グラディウス」、発売36周年』という記事が出てきました。
一体何事か!?と思ったら、アーケード版から36年経ちました(37年目)という、ただそれだけの記事でした。これってニュースなのか。
世に名作が400本くらいあったら、ほぼ毎日何かがニュースになるのでは、、、。これを機に「おすすめ」表示をオフにしました。

この手の「~からX年」のような表示は、JavaScriptであっという間に作れます。
たとえば、「ベーマガ創刊/休刊からX年」と表示したい場合、

<html><head>
<title>何年経ったのか</title>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=shift_jis">

<script language="JavaScript"><!--
var datesoukan = new Date(1982, 6-1,10);
var datekyukan = new Date(2003, 4-1, 8);
var datenow = new Date();

function yeardiff(datefrom,label,caption){
  var myCnt = 0;
  while(1){
    datefrom.setFullYear(datefrom.getFullYear() + 1);
    if(datefrom > datenow)break;
    myCnt++;
  }
  document.getElementById(label).innerHTML = caption + String(myCnt)+'周年('+String(myCnt+1)+'年目)。';
}

function loadpage(){  // onload
  yeardiff(datesoukan,"myStatus1","ベーマガ創刊 ");
  yeardiff(datekyukan,"myStatus2","ベーマガ休刊 ");
}
// --></script>
</head><body bgcolor="#ffff80" onLoad="loadpage()"><br>
<h1>
<SPAN class="sample1" ID="myStatus1">----</SPAN><br>
<SPAN class="sample2" ID="myStatus2">----</SPAN><br>
</h1><br>
<br>
<br>
<br>
<hr>
<p>
(C)2021 takuya matsubara.
</p>
</body>
</html>
実行結果

実行すると、こんな感じです。年数を比較してるだけです。自分の場合はWindowsなので、シフトJISで書いてしまいました。
上の例では休刊の日付を「2003年5月号の発売日」としています。

ラジオの製作1982年7月号」279ページ目より

ちなみにベーマガ創刊の日付は当時の雑誌「ラジオの製作」の告知ページを参考にしました。これはラ製から独立した時のものですね。ベーマガはラ製1981年5月号から付録として存在しています。ややこしい。
あと5日でベーマガ創刊39周年です。
実際にWebサーバで実行してみたい人はこちら。

nicotak.com
これで、いつでもどこでもベーマガ創刊/休刊 X周年を見届けることができます。

駿河屋より

(2021/6/6追記)駿河屋で創刊号が売ってました。超プレミア価格。発売日が7月になってますが、これは奥付けに書いてあるサバ読んだ日付です。6月10日のほうが正しいです。
(2021/6/10追記)バグっていたので修正しました。「39周年」と表示されないと思ったら、1ヶ月指定が遅れてました。1~12月の指定は0~11でした。

バグを修正。6月10日で39周年になりました。


(2022/3/29追記)スクリプトを改良して、次のX周年までの残り日数を表示するようにしました。おまけ的な情報も足してみました。

日本リスペクトゲーム特集

反応するのが遅れましたが、「Wireframe」50号を読んだら、日本のゲーム特集が載ってました。

PDF版は無料で読めます。寄付のリクエストに「No thank you」するのが気が引けますが。

wireframe.raspberrypi.org

この雑誌で、「影響を与えた日本のゲーム20(実際は30作品)」というのが出てくるのですが、文句の付けようのない手堅いラインナップ。

表紙を飾るのは「Cris Tales」。これはコロンビアの会社さんのゲームです。南米のコロンビアです。念のため。

日本の特集というより、日本リスペクトの特集でしょうか。

「Cris Tales」の公式サイト(https://modusgames.com/cris-tales/)を見ると、「クロノトリガー」「ファイナルファンタジーVI」「ヴァルキリープロファイル」「ブレイブリーデフォルト」「ペルソナ5」に触発されたと直球で書かれています。コロンビアでも日本のゲームが浸透しているのか。

クロノトリガー」などは日本人からすると普通に受け入れますが、海外の視点からすると漫画・アニメがそのままゲームになったような強烈なインパクトがあるんじゃないかと思います。想像ですが。

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Eternal Champions(SEGA Genesis Classicsより)

その昔、海外ゲームの日本描写は、ズレてるのが当たり前でした。「カラテカ1984年)」「モータル・コンバット(1992年)」しかり。

参考までに上の写真は「Eternal Champions(1993年)」。Ninja AssasinのShadow Yamotoさんが殴り合いの前に土下座します。こういうステレオタイプは「スト2」が先にやったことなので、えらそうなこと言えません。

あと、「ウィザードリィ(1981年)」にもNINJAがいますが、元ネタはD&Dでしょうか。

 

日本ネタといえば、SAMURAI、NINJA、YAKUZAしかなかったのですが、そこに漫画・アニメ文化(メカとか美少女とか)が投入されたのが、一つのブレイクスルーだと思います。どのタイミングでそうなったのか? 誰かまとめて頂きたいです。

パッと思い付くのは「Shantae(2002年)」。世界観は日本じゃないのですが、動きや見た目が日本のアニメ的でした。続編は一杯出てますが、初代だけ入手が難しい。Switch版は海外のみの配信です。

あと、2001年にはBungieが「Oni」というゲームを出してます。真面目に作ってますが、攻殻機動隊のパチもん感はありました。

理由は様々ですが、感覚的なズレは徐々に縮まり、今は日本っぽいゲームは地位を確立してます。思い付くだけで「VA-11 Hall-A」「Muse Dash」「NARITA BOY」「Panzer Paladin」「The friends of Ringo Ishikawa」「River City Girls」など。こういうジャンルを表す名称ってあるのでしょうか。

最終的には「ゴースト・オブ・ツシマ」のような日本製より日本らしい作品が出るに至りました。もはや国境はなくなった、というのは言い過ぎか。

システム面での日本らしさというのもあります。海外のシューティングゲームは3Dの主観視点ばかり。2Dシューティングゲームといえば日本製。抽象よりもリアルが好きとか、強制スクロールが嫌いとか、海外のなんらかの思想が原因だと思うんですが、うまく言語化されてない領域です。

 

天然で勘違いな日本描写、勘違いしてない日本描写、ときたら、あと残ってるのは狙って勘違いしてる日本描写でしょうか。「コマンド&コンカー レッドアラート3」がまさにそんな感じ。「Nippon Marathon」は天然だと思うんですが、どうなんでしょう。

 

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HARAKIRI(ベーマガ1989年12月号より)

「HARAKIRI」をゲームアーツが作って30年以上経ちますが、いまだ類似作品が出ていません。HARAKIRIはベーマガ情報だと1989年12月発売ですが、プロジェクトEGGだと1990年発売ですね。どちらが正しいのでしょうか。