バビロン for PC-8801

プロジェクトEGG無料で配信しているアクションRPGバビロン」を遊んでみました(会費として月額550円が必要)。開発はクリスタルソフト。対応機種はPC-8801mkIISR。「ログイン」1987年1月号の広告によると、発売日は1986年12月10日。「優しさの時代」が到来する前の作品です。

「バビロン」の知名度はどれくらいでしょうか?

自分は最近までこのゲームを知らなくて、プロジェクトEGGのページで存在を知りました。確認したところ、ベーマガの1987年4月号に「compit sala」の広告にタイトル名だけ載っていました。compit salaは、TAKERUで配信してるソフトをわざわざ通販で売るという変わったショップでした。これでどうやって利益を出していたのか謎です。広告によると「バビロン」のパッケージ版は7800円、TAKERU版は6800円だったようです。

 

本作のDEMO画面。「うしろの百太郎」に出てきそうなキャラが「世界を元に戻して欲しい」とお願いしてきます。もしかしたら、ヒロインかも。

 

スタート時の画面。プレーン数を節約したせいなのか、色使いが独特です。

マップが恐ろしく広大です。広告によるとマップは480画面とのこと。画面がちゃんとスクロールします。キャラクターがスピーディに動きます。後半は巨大なキャラが複数動いたり、プログラムの技術力の高さを感じます。

本作はアクションRPGなので、万人向けという気がしてしまいます。しかし、実際に遊んでみると、かなり人を選ぶ作品です。以下、個人的に「プレイヤーに優しくない」と思った点を紹介します。

 

(優しくないポイント、その1)「テンキー操作必須

まさかのゲームパッド非対応。テンキーで操作します。

上記のように、しがみついている場合にはZ/SPACEと方向(4 or 6)の同時押しでジャンプするのですが、高確率で失敗します。

落ちたらやり直しっていう場面が多かったり、ジャンプ中の制御ができないあたりは「ゼリアード」と同じです。

 

(優しくないポイント、その2)「クセのあるアクション」

挙動にクセがあります。衝突すると、相手を攻撃するのですが、場合によっては同時にダメージを受けて、後方に吹っ飛ばされます。これが同時じゃなくて、攻撃成功/吹っ飛ぶかの二択で良かったのでは。

アクション的な操作でカバーできる部分が少なくて、勝てない敵にはどうやっても勝てない。さらに、乱数の振れ幅が大きいのもストレスになります。弱い敵に吹っ飛ばされたり、1回斬って倒せる敵が4回斬らないと倒せない時もあります。戦闘の納得感が足りないです。

プレイヤーキャラが高い所から飛び降りると尻餅をつくのですが、これもテンポが悪い。

 

(優しくないポイント、その3)「高難易度」

このゲームは珍しいことに「ザナドゥ(1985年)」と同じシステムを採用しています。倒した敵はマップから消滅して、同じ敵は二度と登場しません。敵の情報はユーザーディスクに書き込まれます。アイテムも有限です。

ザナドゥと同じ」というと聞こえは良いのですが、自由度は低いです。床を掘ったり、ワープするようなアイテムがないので、手詰まりになりやすいです。詰んだら、ユーザーディスクを消して、最初からやり直しです。

 

(優しくないポイント、その4)「ステートセーブ非推奨」

これはプロジェクトEGG版の問題ですが、ステートセーブ(クイックセーブ)の内容とユーザーディスクの内容が食い違っていると、挙動がおかしくなります。敵が消えてしまったり、画面が真っ暗なままプレイ不能に陥ります。

 

(優しくないポイント、その5)「ノーヒント」

ググっても攻略方法が一切出てこない。ベーマガにも「チャレンジ!! パソコンRPGAVG」にも載っていません。

 

、、、という厳しいプレイ条件でしたが、頑張ってクリアしました。そのうち攻略ページを公開したいです。

イライラする部分もありましたが、クリアしてみると、かなり好きな作品になりました。最後まで緊張感を保っていて、謎解きもしっかりあって、感心しました。ぜひ予備知識なしで挑戦してみて頂きたいです。

 

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