パソコンゲームのヒント集

その昔、主にアドベンチャーゲームが解けなくて困っているユーザーをサポートするため、各ソフトハウスが公式の「ヒント集」を発行していたことがあります。

公式のヒント集を利用した経験はあまり無いのですが、実例を2件ほど紹介したいと思います。

 

(ヒント集の例その1)PC-6001mkII版 「サラダの国のトマト姫」。通称「サラトマ」。ハドソンの名作AVGです。

自分の場合、ベーマガ1984年8月号のチャレアベを読みながらサラトマを遊んでいましたが、「お城の番兵」のところで先に進めず、詰まってしまいました。

 

説明書にヒント集の注文方法が書かれています。これによると「単語集」「ヒント集」「解答集」という3種類が存在したようです。

いきなり解答集を見るのはイカンという妙なプライドが働いて、自分の場合はヒント集を注文することにしました。応募券(パッケージの角を切り取る)と返信用封筒と70円切手1枚を同封して、ハドソンに送りました。

 

送られてきたヒント集がこちら。

B4くらいの紙を2つに折っただけで、ペラペラです。問題は中身ですが、、、

 

知りたかった部分は「何か持っていますよネ」と書かれていて、抽象的すぎる。

最後は開発者がヒントを載せない理由を長々と語ってます。なんだこれは?!

これなら、ヒント集じゃなくて解答集にすべきだったか、、、と思っても、時すでに遅し。注文できるのは一回だけです。

これで見事にゲームが詰んでしまったのですが、しばらくして学校で人づてに解き方を教わって、無事にゲームをクリアすることができました。確かクリアに半年くらいかかったと思います。

 

(ヒント集の例その2)PC-6001mkII版「は~りぃふぉっくす 雪の魔王編」。マイクロキャビンのAVGです。1986年当時、PC-6001mkIIは「終わってしまったハード」だったわけですが、そうした状況で発売されて、喜び勇んで購入しました。特製ノートのオマケ付きでした。

さっそく遊んでみたのですが、自分の場合、一番最初のエリアで詰まってしまいました。「街で女の人に出会ったあたり」で、何をやったらいいのかわかりません。ベーマガ1986年4月号のチャレアベを読んでも解決しませんでした。

 

説明書にヒント集の注文方法が書かれています。「本来ヒントなしでゲームする」「ヒント集など見ないで」とも書かれていますが。

申し込み書(説明書から切り取る)と60円切手×8枚=480円を送れとあります。当時のベーマガが380円だったことを考えると、強気な値段設定。

 

なお、この説明書、申し込み書を切り取ってしまうと、その裏側が半ページほど読めなくなってしまいます。

ひどい設計ミス。

 

送られてきたヒント集がこちら。A4の紙一枚だけ。480円払ってこれか?!

結論から言うと、このヒント集は役に立ちませんでした。自分の場合、「バケル」というコマンドを知りたかったのですが、動詞名詞一覧表には載っていません。「バカ」は載っているのに。

 

「バケル」は説明書のほうに載っていたので、それに気付くべきでした。さらに「バケル」は前作で重要なコマンドだったようです。あまりにも基本的すぎて、ヒント集には載らなかったのではないでしょうか。

結局、ゲームは詰んでしまいました。大金を出して買ったゲームがクリアできなかったのがトラウマです。

というわけで、公式のヒント集にはロクな思い出がありません

当時のアドベンチャーゲームは解答を知らないと一歩も進めない。そういう過酷さがありました。パソコンゲームはそれが当たり前だった気がしますが。攻略情報の需要に対して、供給が全く追い付いていなかったと感じます。攻略本ビジネスが急成長したのは必然です。ベーマガ1986年5月号によると、レスキューAVGに届く手紙の数は一か月あたり約5000通とのこと。